池澤夏樹=個人編集《日本文学全集》(河出書房新社)の第1期第4回配本は、第17巻『堀辰雄 福永武彦 中村真一郎』。のすごく個性がはっきりした巻だ。そして、この巻の巻末解説を読むと、池澤がこの全集をどのように編んでいるかがはっきり書いてある。セレクトの方針をはっきり文字化している。これはもう一種の声明文だ。池澤は本全集における日本近代文学のチョイスの方針を〈モダニズムという原理〉に置いた、と書く。〈ぼくは