昨年末に池澤夏樹=個人編集《日本文学全集》(河出書房新社)の第1期第1回配本、池澤訳『古事記』についてレヴューを書いた(「『古事記』は「ジョジョ」4部のあのエピソードのルーツでもある? 話題の新訳を読んでみた」)。あれから3か月以上経って、第4回まで配本されたので、1点ずつ取り上げていきたい。きょうはまず、第2回配本、第23巻『中上健次』。中上健次(1946-1992)は、昭和のラスト3分の1から平成初期、わずか四半世