『ジュンのための6つの小曲』が大傑作。冒頭を少し長めに引用する。“一、二、三で目覚める朝を、愛するのは音楽家たちだ。それは呼ばれるような朝、腕を広げて歓迎されるような朝、一拍の狂いもなく正しい瞬間に目覚めたことを、確かに感じられる朝だ。曇天でも構わない。鳥の声も必要ない。ゆっくり二、三度まばたきをして、そっとシーツの匂いを嗅ぎ、胎児の気分で伸びをして、誰にともなくおはようを囁く─音楽家たちはそれだ