華やかな経歴を持つ人物が手がけた事業が、突然の行き詰まりを迎えることがある。かつて生命保険業界でトップクラスの営業成績を残し、SNSでも影響力を持っていた人物が創業したパーソナルジム「BVEATS」も、その一例として注目を集めている。保険業界で実績を重ねた後、畑違いの分野へ踏み出した経歴も、視聴者の興味を引く要素だ。個人の実績と組織の経営力は、必ずしも比例しないという現実を、この出来事は静かに突きつけている。
 
「BVEATS」は月額定額で通い放題という思い切った料金設定を打ち出し、都心部を中心に店舗数を拡大してきた。開業当初は会員数も順調に伸び、事業は好調に見えていたという。しかし脱・税理士の菅原氏は、動画の中でこの価格戦略そのものに構造的な弱さがあったと指摘する。定額制のサービスは利用の少ない会員によって収益が支えられる面があるが、料金水準によってはその前提が崩れる場合があるというのだ。

加えて、指導が一対一で行われる業態特有の予約枠の制約や、人気を集める担当者に利用が集中しやすい運営上の癖、さらに人件費と店舗家賃といった固定費の積み上がりも、収益構造を圧迫する要因として語られている。フィットネス業界全体で価格競争が激化していた時期と重なっていたことも、背景として挙げられた。業務委託契約による報酬体系や、周辺事業として手がけていた取り組みにも話は及び、菅原氏は売上規模が大きく見えても利益が伴わない体質になっていた可能性に触れつつ、営業力と経営力は別の能力であるという視点を示す。
 
それでも菅原氏は、今回の結末を安易な失敗談として片付ける論調には距離を置く。挑戦そのものに意味があるという立場から、事業設計のどこに分岐点があったのか、そしてリスクにどう向き合っていたのかという論点が、動画全体の中心に据えられている。一方で、負債を抱えながらも個人破産には至っていない点については、経営者としてのリスク管理が機能していた証左として位置づけられていた。数字の裏に透ける経営判断と、同時に感じ取れる備えの姿勢が、そこでの語り口を特徴づけている。新たに事業を立ち上げようとしている人にとって、大きなヒントになる内容だ。

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