かつては障害者が自立するには、介護者を自分で探さなければならなかった。障害者たちの闘いの成果によって、90年代以降にヘルパー制度が発足する。ところが一部の障害者や介護者の間では、有料介護をどう考えるかで議論があった。阪神・淡路大震災でボランティアにかけつけた安藤滋夫は、ヘルパー制度の必要性を説いた。ボランティアの有用性を信じていた私と彼とのやりとりの中で、“健全者の特権”を痛感させられることになる。