世界は「悪」によって滅びるのではない。憎しみが人を悪に変え、世界を滅ぼす。みずからを「正義」と信じ、人を憎む者の存在は、まさに「悪」だ。 きっかけは、言葉か、暴力か、それとも、たんなる誤解や事故だったのか、わからない。いずれにせよ、それらは、あってはならないものだ。しかし、だからといって、ひとがあってはならなかったものを無くそうとしても、それはひとの権能を越える。いかにあってはならなかったもの