NHKドラマ・ガイド「まれ」/NHK出版

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タイトルバックで、スポンジケーキにチョコやクリームを塗っているところと、器に漆を塗っているところの照り感が似ているなあと感心して見ています。

朝ドラ「まれ」(NHK 月〜土 朝8時〜)が、第1話の視聴率21.2%(ビデオリサーチ調べ 関東地区)と快調に走り始めました。

3月31日の2話では、希(松本来夢)たちが東京から新天地を求めてやってきた能登の村は、お金がなくても生きていけるすばらしいところだとわかります。ここでは各々の家でとれた野菜や魚を近隣の人たちとシェアする習慣があって、希の仮住まいにも食料がたくさん届けられます。

希の父・徹(大泉洋)は、この地でしか行われていない揚げ浜式製塩法に目を付け、楽してお金を儲けようと目論みますが、製塩職人の元治(田中泯)に拒否されます。

地道にコツコツ作っているからこそ美味しい塩を、売り上げを増やすために大量生産しようとする父に対して希は、「お父さんを嫌いになりそう」と言い出し、間髪いれずに「お父さん嫌い」と言い放ちます。嫌いになりそうの過程を通り越して嫌いになっちゃうとは子供って厳しい〜〜。

それに比べて、お母さんの藍子(常盤貴子)は、でかい夢を追いかけて何回も仕事を変えるダメなお父さんのことを決して悪く言いません。「お父さんがはじめて独立して会社つくったのは希が生まれたとき」と、子供のためにお父さんは頑張ってるんだと言い聞かせるのです。なんてすばらしいお母さんなんでしょう。

お父さん、「人生どん底から」なんて本を読んじゃってますけど、食事中、一徹(木村聖哉)がお刺身を1枚とりにくそうにしていると、「(全部)もってていいから食べろ」と声をかける。これは大泉洋のアドリブでしょうか。お金のこと以外はいいお父さんのようです。
3話ではどうなる、津村一家の親子関係?

【今日の小姑ツッコミ】
1話ラストでさりげなくアップになった魔女姫人形に、2話では希が話しかけています。
この木彫りのきもかわ人形は希にとって大切なものらしく、戸田恵子によるナレーションは、このお人形の声という設定。
しかしですよ、夢なんか大嫌いな現実主義者の希が、お人形に話かける(しかも魔女という空想の産物)なんてドリーミーな行為はいかがなものでしょうか。想像力と人生の夢とは別物なのでしょうか。夢全否定よりお人形に話しかける希のほうが私は好きです。(木俣冬)