笑福亭鶴瓶の「スジナシ」(TBS)が復活。台本も打ち合わせもなしで、どうする!?

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「スジナシ」は無茶な番組だ。
ドラマに登場するのは、笑福亭鶴瓶とゲストの2人だけ。
しかも台本も打ち合わせもなし。
スタジオに組まれたセットを舞台にアドリブで演じる。
エチュード芝居だ。
終わりのタイミングも決められていない。
ナビゲーターの中井美穂が「OKです」と言うまで続けなければならないのだ。
観る側はもちろんだが、演じているふたりも先の展開がどうなるかまったく読めない。
ふたりの役者が、どう仕掛けていくか、どう受け答えていくか、という駆け引きがスリリングだ。
ドラマ的展開の楽しみに加えて、格闘技のような組み合いの面白さもある。
ドラマが終わった後に、その映像を見ながら反省会が行われる。
エチュード芝居をやっている最中、ふたりが何を考えていたのか。
どういうつもりで攻めたのか受けたのか。
演じたふたりの解説トークで、さらにドラマが面白くなる。

この「スジナシ」が放送されていたのは、1998年10月から2014年6月まで。
残念ながら今はやってない。
のだが、なんと、2015年3月、スペシャルな企画となってよみがえるのです。

という制作発表が2月2日TBS赤坂サカス広場で行われたので行ってきたよ。

冬なのに、制作発表が広場。
外って珍しいなと思ったら「supported by TOYOTOWN」ということで、トヨタの車の前での発表会だった。
オーバーを脱ぎ衣装になった鶴瓶さん。
取材陣に向かって「寒ない?」とねぎらいの声をかける。
鶴瓶さんが脱いだのを観て、新人アナウンサー宇垣美里さんも羽織っていたものを脱ぐ。けっこうな薄着。
鶴瓶さんがあわてて「自分着とき、いやいや、それ、あかんあかん。寒ない?」と言うと、宇垣さんすかさず「若いので」と返す。
鶴瓶さん「若いw、若いよな」。中井美穂、ニッコリ。
制作発表がはじまる前から笑いに包まれた。

ナビゲーターの中井美穂さんと鶴瓶さんが、「スジナシ」がどんな番組か説明する。
鶴瓶さん「役になりきりながらインタビューするというか。一番でるんですよね、役者さんの。私生活のこと聞かんでも」
中井さん「役になっているようでその人の素顔が一番さらされてしまう恐ろしい番組。準備しても準備がなにも役に立たないですから」

その「スジナシ」が、3日連続公演としてスタートするのだ。
「スジナシBLITZシアター」
場所は、赤坂BLITZ。
出演陣が豪華。
3月2日(月)は、佐藤浩市。
“演技力の高さから舞台への進出も期待されているが、「自分は映像で際立つ役者である」ことを理由に一貫して映像作品への出演を貫いている”
とwikipediaにも書いてある佐藤浩市が、舞台に出る。というだけでも驚きなのに「スジナシ」である。なんてチャレンジャー。
3月3日(火)は、大島優子。
映画『紙の月』で第38回日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞。
「ふざけてますよ」(←ほめてる)「度胸満点ですよ」と鶴瓶さんも彼女を絶賛。
3月4日(水)は、マツコ・デラックス。
マツコ・デラックスは一度スジナシに出演している。
「一回も抱いてくれたことないし」「私が抱くの? こっちは、いつあんたが手を出してくるのかって15年も待っているのよ!こんなになっちゃたじゃないの!」
突き抜けたセリフの応酬。300回以上続いた「スジナシ」の中でもベスト回に数えられる名ドラマを生み出した。

「スジナシBLITZシアター」
チケット発売は2015年2月8日(日)午前10時から。
楽しみです。

「笑福亭鶴瓶さん、中井美穂さんありがとうございました」
進行を務めた新人アナウンサー宇垣美里さんがしめると、
鶴瓶さん「あんたが寒くなって切り上げたんちゃうんか?(笑)」。
(米光一成)