by Tim . Simpson

これまでに様々な機密情報を入手・公開してきたWikiLeaks(ウィキリークス)が、新たにCIAの未公開極秘文書の公開を開始しました。この中では、偽物のパスポートでヨーロッパ諸国、特にシェンゲン圏に侵入する方法が説明されています。

CIA Travel Advice To Operatives

https://wikileaks.org/cia-travel/



公開された機密文書は2つ。1つは「Surviving Secondary Screening」と題された、空港の保安検査で、いかにしてセカンダリ・スクリーニング(追加検査)の対象にならないようにするかを解説した文書で、主に、偽物のパスポートを持ってヨーロッパへ任務で赴く工作員向けのもの。

CIA Assessment on Surviving Secondary Screening - page 1

https://wikileaks.org/cia-travel/secondary-screening/page-1.html



もう1つは「CIA Advice for Operatives Infiltrating Schengen」。ヨーロッパの中でも「シェンゲン圏」と呼ばれる、ドイツ・フランス・イタリア・アイスランド・ノルウェーなどシェンゲン協定を結んだ26カ国での秘密工作時に役立つ文書で、国境検問所の情報などがまとめられています。

CIA Advice for Operatives Infiltrating Schengen - page 1

https://wikileaks.org/cia-travel/infiltrating-schengen/page-1.html



Wikileaksによると、2001年9月11日に発生したアメリカでの同時多発テロ以降、空港の警備が厳しくなったことでCIAの地下活動を以前と同じように続けるのが難しくなり、その懸念が表れた文書だとのこと。

実際、この文書の中にはEU圏の空港で追加検査の対象になったCIA工作員の体験談も掲載されています。その工作員によると、追加検査で荷物を検査機に通したところで火薬が見つてしまったため、「ワシントンD.C.で対テロ訓練を受けた」という架空の話をすることで検査を乗り切りました。

Wikileaksのジュリアン・アサンジ氏は、2001年1月から2008年1月までのブッシュ政権下において、CIAはイタリアやスウェーデンを含むEU圏内で誘拐を行っており、今回公表したような文書が出てくるということは、現在もCIAが同じようにヨーロッパに潜入して工作活動を行っていることを示していると指摘しています。