【米国はこう見ている】軟式高校野球延長50回の死闘がついに海を渡り、米国でも話題に

複数の米メディアが動画付きで紹介

 世界最長の延長50回に及ぶ大熱戦となった全国高校軟式野球準決勝の結果が、米国でも報じられて大きな話題となっている。

 中京(岐阜)と崇徳(広島)の一戦は両者ともにスコアレスで進み、試合開始から4日目の8月31日にようやく決着が付いた。この模様をFOXスポーツ電子版ら複数のメディアが動画付きで取り上げている。

 日本では社会現象とも言われた一戦。甲子園と違い、再試合制度がないため、サスペンデットで日にちをまたいで延長戦が続いた。1日15イニング。得点の入らない日が3日続き、4日目となった31日には延長46回から試合が再開。50回に中京が3点を奪い、28日の試合開始から延べ4日間、10時間18分で決着した。

 この試合をFOXスポーツ電子版は「日本の高校野球の試合が4日間、50イニングまで続いた」との見出しで報じている。

「野球の試合は時々、延長戦に突入し、夜遅くまで続くことがある。延長戦が日をまたぐことは滅多にない。しかし、日本の高校野球でそんな試合があった。(試合は)4日間で50イニング続いた。そう。そうです。50イニングです」

昨年の選抜高校野球では済美・安楽の772球が米国で論争を呼ぶ

 こんな書き出しから記事はスタートする。さらに、両チームともに無得点でゲームが進んだことや、50イニング目に中京が3点を奪ったことを説明し、「試合の最後のイニングを見てみよう」と、日本でアップされているYouTubeの動画をサイトに掲載。注意書きとして「19分の長いビデオです。2点は6分30秒あたりに入り、試合は15分30秒くらいで終わります」としている。

 さらに「試合の記録を見てみよう」と公式記録を紹介。

「中京のスターティングピッチャー、タイガ・マツイは709球で50イニングを投げ、26本のヒットを打たれた。対戦相手のジュキヤ・イシオカは689球を投げ、22本のヒットを打たれた」

 記事ではそう報じており、ともに1人で50イニングを投げ抜いた松井大河投手、石岡樹輝弥投手の奮闘ぶりが分かる内容となっている。

 もっとも、昨年の選抜高校野球では、当時2年生だった済美のエース右腕・安楽智大が5試合で772球を投げたことが米国内でも大きく取り上げられ、論争となった。主要メディアはこぞって批判し、ESPNが来日して本人と上甲正典監督を取材するという事態にもなった。硬式と軟式の違いはあるとはいえ、米国内で今回の試合のニュースがさらに広まれば、再び何らかの論争が巻き起こる可能性もありそうだ。