圧巻の飛距離と精度の高いアイアンショットを生み出すマキロイのスイング(撮影:福田文平)

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 全英オープン、全米プロゴルフ選手権と2つのメジャーを含む出場試合3連勝を飾り、世界ランキング1位の座に浮上したローリー・マキロイ(北アイルランド)。圧倒的なショット力を武器に難コースをねじ伏せていく姿は新時代の到来を予感させた。
【みんなの意見】ローリー・マキロイの強さの秘密ってなんだと思う?
 では、新たな時代を作る25歳の強さの秘密、魅力はどこにあるのか。海外を拠点に活動を続ける、プロゴルファーでゴルフアナリストのアンディー和田氏にその秘密を聞いた。
【スイング解説】
 ローリー・マキロイのPGAツアー公式発表データは178cm、73キロ。 実際に彼と記者会見で話していると特に凄いというオーラは無く、B・ワトソンやD・ジョンソン、G・ウッドランドなどツアー屈指の飛ばし屋連中から感じる迫力とは異なる印象。
 どこから秒速55メートルを超えるクラブヘッドスピード、秒速82メートルのボール初速が繰り出されるのか不思議に思ってしまう。 しかし一旦ドライビングレンジに行くとなるほど…と納得。 肩甲骨の可動域の大きさ、全体の柔軟性、手首リストスナップの速さなどが上手く調和して、ゴルフボールは勢いよく舞い上がっていく。
 これまで色々な雑誌やウェブサイトで分析されている、マキロイ独特のインパクト前後で結果的に左腰が逆リバースに動きクラブヘッドが走るのは一般ゴルフファーが簡単に真似できる動きではないが、やはり注目すべきはしっかりとダウンスイングでインサイドからクラブを降ろし左手とシャフトのアングルを保った「タメ」、そしてインパクト後には左肘をたたみ左肩よりもフラットにシャフトを振り抜いていく「インサイド からインサイド」の軌道は参考にして欲しいところ。

ダウンスイング時にはインサイドから降ろしてくる軌道に対し、インパクトではややクラブフェースがオープン気味に入ってくるマキロイの持ち球はややプッシュアウトのドローボール。なんといっても圧巻なのはロングアイアンの弾道の高さ。 全英オープンでは3日目の終盤で2つのイーグルを奪取したが、16番では252ヤードを4番アイアン、18番では残り239ヤードを5番アイアンを使用していた。
課題点としては本人の会話の中で話していた通り、右からの風が吹いた時にピンがグリ
ーンの右サイドにある時の攻め方。 特に高く舞い上がりスピン量が増えるショートアイアンで右サイドを攻める事ができるようにしたいと語っている。
 また最近大きく変わったのはローリー自身の体型。 皮下脂肪率を減らすとともに必要な場所に筋肉をつける事に成功。 全米プロでは8週間で筋肉を3キロつけることができたと自慢げに話していた。
文 アンディー和田
<ゴルフ情報ALBA.Net>

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