8月8日発売「anan(アンアン)」は毎年恒例のセックス特集! 題して「この昂りを伝えたいから。愛とSEX」。表紙を飾る松坂桃李のセクシーグラビアは大変セクシー(小学生並の感想)

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8月8日に発売した「anan(アンアン)」の特集は「この昂りを伝えたいから。愛とSEX」。毎年恒例の夏のセックス特集だ。
ここ数年は、具体的なハウツーは抑え気味になり、「女性のひとりエッチ(セルフプレジャー)」を爆推しし、「女子も性を楽しもう!」というメッセージを発信してきたanan。女性向けのアダルトビデオやラブグッズなどの紹介にも力を入れていた。
では、今年のananはどうだろう?

もちろんセルフプレジャーネタは今年も多い。女性向けAVのDVDがついてきているし(イケメン!)、「ひとりエッチの実態調査」「『セックスペディア』でわかる女子の性事情」といったページもある。しかし、ここ数年のセルフプレジャーがかなり一般的になってきたからか、「従来のセックス特集らしい」特集も目立つ。
その中で触れておきたいのが、「SEXと快感の達人に教えてもらう、愛と官能の究極コントロール術」のコーナー。特にAV監督の溜池ゴローによる「SEXコミュニケーション学」と、AV女優の川上ゆうによる「SEXテクニック(実技)」は、今号の中で「もっとも具体的なセックスハウツー」だ。

先に、「SEXテクニック(実技)」の紹介をしよう。「受け身のSEXは卒業! ワザを磨くのが大人の女」として、セックスのハウツーを並べている。「相手を気持ちよくさせる努力をすることで、彼に求められるペースが変わるかも」とある。
オススメされているSEX技法は、
・一緒に気持ちよくなれる体位3選
・大好きな彼が泣いて喜ぶフェラ4選
・意外とわからなかった!! 手コキ術6選
の3種類。バキュームフェラやイラマチオを勧めたり(「命懸けます!イラマチオ」)、「亀頭つぶし」なる技を伝授したりしている。
コーナーのリード文には、次のような一文が。
「女性側の役割は、あくまで男性がリードしやすいようなきっかけをつくってあげること」
えっ、女子、リードしちゃダメなんですかっ?(高菜食べてしまったんですかっ?の節で)

そして溜池ゴローのSEXコミュニケーション学では、「男が望むSEXコミュ術」を紹介。「喘ぎ声は緩急をつけて」「オトコは褒めて伸ばされたい」などの言葉が並ぶ。
いちばんのポイントは、OKワードとNGワード。
○今までで一番良かった  ×元カレよりうまかった
○この大きいお尻が好き  ×お尻、大きいね
○イッてくれてありがとう ×もうイッちゃったの?
溜池ゴローはこう断言する。「いくら大人の男といっても、心の裏側はいつでも小学4年生」。締めくくりは「褒めることと気づかうことを常に心がけて」「母親の気持ちで接しよう!」。
えっ、女子、母親の気持ちで接さなきゃダメなんですかっ?(高菜以下略)

読んでいて思い出したのが、旭化成の「妻の家事ハラ白書」。これは共働きの夫婦に対して行われたアンケートで、夫が家事を手伝うことに対して、が「何気ないダメ出し」をしてしまうことを「家事ハラ」と称していた(8月15日追記:「家事ハラ」はもともと竹信三恵子氏の作った言葉で、意味は旭化成のものと全く異なる。旭化成はのちに「誤解を招く表現だった」と謝罪)。たとえば、夫の家事に対して「やり方が雑」と言うことは、旭化成によると「家事ハラ」にあたる。
「妻の家事ハラを受けると、9割の夫は家事に対するやる気がなくなる」
「言葉で感謝の意思を伝えたり、相手を気遣ったうえでお願いをすることが、夫の家事参加意欲に好影響を与える」
この調査結果はさまざまなツッコミどころを含んでおり、多くの批判を受けた。いちばんのツッコミどころは「共働きなんだから、家事は『手伝う』ものじゃないだろ!」。

この調査では、夫を家事に「参加してもらう」ために妻が心がけている言動も紹介されている。トップ5がこちら。
「ありがとうと言う」
「やってくれたことを純粋に褒める」
「疲れているのに ゴメンね、と夫を気遣いながら頼む」
「二人とも同時に家事をするように役割分担する」
「さすが!やすごい!など感嘆の表現で褒める」
あれ……これ、どこかで見たような……?
そう、これって、まさに「褒めることと気づかうことを常に心がけて」「母親の気持ちで接しよう!」。溜池ゴローの勧めるSEXコミュ術と同じだ!

確かに、男性は何歳になっても「小学4年生」なのかもしれない。プライドややる気を萎えさせないようにうまく接してあげることが、男女間のうまいコミュニケーション方法なのかもしれない。
いやー、でも、すべての男性を小学4年生扱いすることには抵抗がある。なんだかバカにしたりナメているような気さえする。ちょっと男子ー、ナメられてんよー。

さて、モヤモヤする気持ちは若干残るものの、基本的にはバランスよく楽しい今年の「anan」セックス特集。最大のバカ企画「笑っちゃうほどわかる、47都道府県男子・愛とSEX」など、友達と回し読むのもおすすめです。
(青柳美帆子)