柿谷曜一朗 (写真・岸本勉/PICSPORT)

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ザッケローニ監督更迭論などをぶち上げるなど、ワールドカップ前より日本代表へ厳しい指摘を続けてきた日本サッカー協会顧問、釜本邦茂氏。

男子代表の最多得点記録保持者(75点)であり、文字通り日本代表の伝説的ストライカーの釜本氏が、YTV「たかじんのそこまで言って委員会」で自論を展開した。

大久保よりも香川、柿谷の選出がサプライズ

まず今回の代表選出に関して、「世の中的には大久保がサプライズと言うが、プレミアで無得点の香川や、Jリーグで1得点の柿谷が選出される方がよっぽどサプライズだ」と攻撃陣を一刀両断。「長谷部、内田などケガ明けの選手がぶっつけ本番でワールドカップで本当に活躍できるのか?」と、負傷によりシーズン中、出場機会が無かったメンバーの選出に関しても疑問を呈している。

パスサッカーでボールポゼッションを軸としたプレーを目指しているというザックジャパンだが、そんな戦術面に対しても「アジアでは通用しても世界レベルの強豪国には太刀打ちできない」とバッサリ。FIFAランキングでコロンビア(8位)、ギリシャ(12位)、コートジボワール(23位)と格上ぞろいのグループリーグでは、攻撃中心の戦術では勝負できないとし、「しっかり守ってカウンターで得点を狙うしかない」と守備重視の戦術を提言している。

パスをつなぐのが「日本らしいサッカー」ではない

さらに釜本氏は「パスをつなぐのが日本らしいサッカーではない」と断言する。「パスが20本繋がっても最後のゴール前30メートルのところで勝負できる選手が日本にはいない。フォワードが8人もいるけど全然ダメ」と、個人技に長けたストライカーの不在を指摘。「実際、柿谷はセレッソでも引かれた時にスペースが無くなり、今シーズン全く仕事ができなくなった」とのことで、大久保のような1人で突破できる選手が選ばれるのは当たり前だという。

「日本人は協調性に長け、組織としてはいいのかもしれないが、最終的には自分で行くタイプがいないと絶対勝てない。要は、上手いけど力強さがない」と技術面での進歩を認めつつも、世界との決定力の差はまだ大きいと語った。

理想のフォーメーションは「本田のワントップ」

そんな釜本氏が理想とするフォーメーションは、柿谷を外して本田のワントップ、後ろに大久保という布陣。さらに病み上がりの長谷部に替え、山口が良いとした。本田の南アフリカ大会に続くワントップ起用については「本田は走れないからワントップでいいよ。この人は大将じゃないと駄目なんだよ」と、チーム状況を踏まえてコメントした。

■釜本氏が理想とする日本代表のフォーメーション

FW:本田
MF(前線):香川、大久保、岡崎
MF(ボランチ):遠藤、山口
DF:長友、今野、吉田、内田
GK:川島

それでも予選突破は難しいとのことで、「1勝2引き分けが理想だが、どこに勝てますか? もし予選グループを突破したら謝るよ」とキッパリ。あまりの辛口コメントに、コメンテーターから「今の代表は誰でも得点ができるいいチームだと思うけど、何が駄目なの?」と反論が出ると、「みんな得点できるなら、世界一になりますよ」と終始厳しい論調だった。

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