軍事規格もクリアする「TORQUE」(画像は京セラのプレスリリースより)

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au(KDDI)は2014年夏商戦に向けてスマートフォン6機種を発表した。新機種には国内では珍しい「ガテン系」スマホが含まれており、ハードスペックなスマホを好むファンの間で話題になっている。

ガテン系として注目されているのは、京セラ製「TORQUE(トルク) G01」。トルクは米国で業務用スマホとして発売されている。国内ではSIMフリー端末として今年に入って発売されたが、国内キャリアとしてauが初めて取り扱いを開始する。

米国は警察、消防などハードな職場で使われる

トルクがガテン系として有名なのは、米国国防総省が定めた軍事規格「MIL−STD−810G」をクリアしているからだ。具体的には、30分間の降雨や浸水による防水試験、高さ約1.22メートルからの落下試験、1時間の振動試験、丸1日の日射試験、氷点下30度の極寒や60度の酷暑での各4時間の温度耐久試験などをパスしている。さらに塩水(5%)を丸1日噴霧後した後に丸1日乾燥させる塩水耐久性能、湿度95%でも10日間の動作が可能な防湿性能も持つ。

トルクは京セラが米携帯電話大手スプリント・ネクステルに供給し、米国内で工事現場や警察、消防などハードな職場で高い人気となっている。頑丈さに加え、振動で音声を伝える独自技術「スマートソニックレシーバー」や大型スピーカーを搭載し、激しい振動・騒音下でも通話できるのが人気の理由だ。米国では「ヘルメットをしても相手の声を聞き取れる」と評判になっているほど。性能の高さに加え、シンプルなデザインも好感されているという。

アウトドア派の間でも人気高い

auはかつて、カシオ製「G'zOne(ジーズ ワン)」という高い耐水性や防塵性を持つスマホを発売していた。しかし、カシオが2013年、スマホ事業から撤退。市場からガテン系が姿を消す中、スマホのタフネスモデル投入を要望する声は絶えず、auは「一定のニーズが期待できる」(関係者)とトルク発売に踏み切った。

ガテン系スマホはアウトドア派の間でも人気が高く、auはジーズをさらに一歩進めたスマホを用意した。米国国防総省の厳しい基準に準拠したスマホで、「軍の人たちが使っても壊れない」(田中孝司KDDI社長)とアピールする。発売を受け、ネット上でも「こういうのを待っていた」「G'zOne難民の希望の星」などと歓迎する声が上がっている。