消費量は日本の倍以上!実は北欧がコーヒー先進国って知ってた?

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フランスといえばワイン、英国といえば紅茶ですが、北欧といえば何をイメージするでしょうか。北欧はここ数年、世界中のメディアなどから「コーヒーがおいしい」と絶賛を浴びています。ノルウェーを舞台としたコーヒー事情を探ってみましょう。

■北欧はコーヒー消費率がトップ

国際コーヒー機関ICOの統計によると、2013年度に発表された世界1人当たりのコーヒー消費量は、日本が3.36kg、英国2.80kg、アメリカ合衆国4.20kgに対し、フィンランド12kg、ノルウェー8.70kg、デンマーク8.60kg、スウェーデン7.31kgと、北欧勢の圧倒的なコーヒーの消費率が見てとれます。

深い知識を持ち合わせていなくても、「コーヒーが大好きで毎日飲んでいる」という人が圧倒的に多い北欧。コーヒーはなくてはならないもので、カフェイン摂取の必要性は関係なく、日常的に飲むものです。学生の頃から講義中にもコーヒーを飲み、学校や職場でも頻繁に「コーヒー休憩」。

すべての場面においてコーヒーは必ず登場します。

親しみやすいカフェが近所にたくさんあることも特徴的。暗く寒い冬が長い北欧では、屋内での温かい1杯は大事なひと時を演出します。

■楽しみ方は国によって違うの?

スウェーデンには「フィーカ/Fika」という文化があります。親しい人とともにコーヒーやお茶を飲みながら過ごす時間で、菓子パンなどをおやつとして添えていただきます。

ノルウェーの有名カフェ「Tim Wendelboe」で焙煎士として働いた後、オスロで豆の知識を教授する「Barista School」を立ち上げた、スウェーデン人のモンス・アンデルソンさんは、北欧の人々がお茶を飲む誘い文句として、スウェーデン人は「フィーカをしよう」、ノルウェー人は「コーヒーを1杯飲みにいこう」、デンマーク人は「ペストリーにいこう」と表現すると教えてくれました。

「おやつに関していえば、シナモンロールが最も一般的なスウェーデンに対して、ノルウェーではもっと別のパンやワッフルを食べます。デンマーク人はデニッシュという菓子パン類を好みますね」。

■大自然でもコーヒーが欠かせないノルウェー人

北欧の中でも、ノルウェーはとりわけ自然との距離が近い国。週末には気軽に登山、釣り、ハイキングなどに出かけますが、その時にもコーヒーは欠かせないお供です。

リュックサックの中には、湯沸かし器とコーヒーを忘れずに常備。川のきれいな水で沸かしたコーヒーを、空気がきれいな山頂でいただくと格別な味がします。ちなみにスウェーデン北部でも、同じ習慣がみられます。

■最高品質の豆、浅煎りと酸味

北欧のコーヒーのプロたちは、最高品質の豆を使用した「浅煎りの酸味があるコーヒー」を好みます。日本の「深煎りの苦めのコーヒー」とは大きく異なる味です。

北欧からはワールドバリスタチャンピオンが何人も輩出されており、小規模な焙煎所が現在の北欧コーヒーの波を後押ししています。北欧5カ国間の関係も友好的で、情報は秘密にするのではなく、知識と哲学を共有します。

また、北欧は男女平等先進国で、コーヒー界でも女性の社会進出が進んでいます。日本にも店舗があるノルウェー発のカフェバー「フグレン」のマネージャー・小島賢治さんは、ノルウェーのバリスタの半数が女性かと思うほどの印象を受けていること、アルバイト以上の役職である店長や、管理職に就く女性の割合は北欧のほうが高いであろうことを挙げます。

日常生活において、コーヒーは欠かせない存在となっている北欧。旅行予定のある方は、旅の休憩にはカフェに立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

※Jorn Idar Kvimさんの「O」は、ノルウェー語表記では右上から左下へ向かって斜線が入ります。