中国の大連広播電視台の東京支社に勤める中国人男性がこのほど、京浜東北線の列車内で乗客が落とした携帯電話が窓際にずっと置かれたままだったと驚きの体験を中国版LINE・微信で伝えたところ、中国のネット上に拡散し多くの反響を呼んでいる。(イメージ写真提供:(C)Cosmin−Constantin Sava/123RF.COM)

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 中国の大連広播電視台の東京支社に勤める中国人男性がこのほど、京浜東北線の列車内で乗客が落とした携帯電話が窓際にずっと置かれたままだったと驚きの体験を中国版LINE・微信で伝えたところ、中国のネット上に拡散し多くの反響を呼んでいる。

 中国の掲示板・虎撲でも同話題が取り上げられ、関連スレッドが立てられた。その中国人男性は「深夜の車内は乗客もまばらで、絶えず乗り降りがあったものの、窓際に置かれた携帯電話はずっとそのままだった。しかもその携帯電話はiPhoneだったのに!」と写真付きで驚きを語っている

 掲示板のスレ主は「本当にそんなことがあるのか?」と問いかけているが、ほかのネットユーザーからは「日本だったら十分にあり得る」、「日本はそういう国だ」など、日本の民度の高さを評価するコメントが続々と寄せられた。

 しかし、別のネットユーザーからは「中国でも同じようなことがあっただろ。たしか、日本人が武漢市で自転車を盗まれたけど、数時間後には戻ってきたという話があった」と、中国も同様だとの主張が寄せられた。

 これは、2012年に自転車による世界一周旅行をしていた日本人青年の河源啓一郎さんが、湖北省武漢市で自転車を盗まれたものの、数日後に闇市場から引き取られて戻ってきたという出来事を指している。

 当時、外国人だから特別待遇で戻ってきたのだとの批判が相次ぎ、上記のコメントもこの出来事を揶揄(やゆ)したもので、そもそも自転車は盗まれたわけであり、警察の努力によって闇市場から取り戻されたため、明らかに「同様のケース」ではない。

 また、「中国だって、お年寄りが道路で倒れていても誰も“拾おう”とはせず、そのままにしておくだろ」との指摘もあった。

 中国では倒れていたお年寄りを助けようとした人が、お年寄りから逆に“この人に倒されてけがをした”などと訴えられ賠償請求されたケースが頻発。道端で誰かが倒れていても助ける人がほとんどおらず置き去りにされることがある現状に、皮肉を込めて述べたものだ。

 寄せられたコメントを見ると、日本社会の民度の高さを称賛する一方で、中国社会の現状を皮肉りつつ嘆くコメントが多いのが印象的なスレッドであった。(編集担当:畠山栄)(イメージ写真提供:(C)Cosmin-Constantin Sava/123RF.COM)