イタリア、不景気で自殺率40パーセント増「働き盛りの男性が最多」

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イタリアの美しいアッズーロ(青空)とは対照的に、心重くなるニュースが。不景気を理由に、自殺するイタリア人が昨年と比べ40パーセントも上昇しているという。

「悩みがないのが唯一の悩み」とドイツ人から冗談まじりに羨ましがられるほど、陽気に見えるイタリア人。しかし、そのようなイメージは単なるステレオタイプに過ぎなかったと言わんばかりに、自殺するイタリア人が急増している。

ローマ・ラ・サピエンツァ大学病院の自殺予防センターのポンピリ所長によると、不況のため 「失業したり、借金をかかえたり、経済的な問題で自殺を考える人がでてきている」という。

特に35歳から44歳の男性の自殺率の上昇が顕著であり、2012年度の第一四半期の同年代の自殺者の割合は4.3パーセントであったが、13年度は31.2パーセントにはねあがっている。

45歳から54歳の男性の自殺者の割合は、2012年度の第一四半期は52.3パーセントと圧倒的に多かったが、13年度は34.4パーセント。年齢別の割合では減少しているように見えるが、自殺者数は昨年の四半期に比べると、ほぼ変化なし。

自殺した人の職業を第一四半期の数値で比較すると、2012年度は事業経営者が69.6パーセント、13年度は43.8パーセントと減少したのに対し、失業者の自殺者は、26.1パーセント(12年度)から50パーセント(13年度)に上昇した。

自殺の理由は「不景気」「失業」がそれぞれ46.9パーセントだった。

最初に見つけた遺族の気持ちを考えると、胸がつまり言葉がでてこない。景気が回復して、人なつこい笑顔がイタリア人に戻ることを願わずにはいられない。

参考:STUDIO LINK LAB: ANALISI 1° TRIMESTRE 2013
http://lab.unilink.it/files/2013/04/STUDIO-COMPLETO-Suicidi-1°-trimestre-2013.pdf