テキスト系妄想メディア「ワラパッパ (WARAPAPPA )」より

ダーリンハニー吉川コラム「1番ショートが夢だった」その58

先日酒場で飲んでいたら、四十前くらいの男性が「どんどん親父に似ていって困ってる」と話していた。顔つき、体型、病気の傾向などが、どんどんお父さんに似ていっているらしい。

「俺、親父のことが嫌いでさ。でも嫌いな親父に似ていってるからたまらないよ」とその男性は笑いながら話していた。

たしかに年を取ってボロが出たり弱っていくにつれ、父親との類似点が明確になっていくものなのかもしれない。5歳や10歳では比べようがないけれど、中年になるにつれ、フォーカスがビシッと合ってくるのだろう。


父と

僕の父親は今年で70歳だ。
ありがたいことに元気である。

そんな父とたまに外に出かけたりすると、「あ、似てるかも」と思う時がたまにある。

まず歩き方。僕は歩くのが早い。人と歩いていると「早すぎる」とよく怒られるが、父とは速度がほとんど一緒だった。

そして食べるペースも一緒くらいだった。ずっと食卓を囲んでいた訳だから似るのは当然と言えば当然だが、気にしてみるとおもしろいものだと思った。


父と

父は僕と違って真面目な人で、まともに働いてまともに結婚して僕と弟を育ててくれた。旅が好きで家族旅行もたくさん連れて行ってもらった。おかげで僕は鉄道が好きになった(ちなみに父は旅好きだが鉄道にはまったく興味がない)。

「父を越えたい」なんて生意気なことを思ったことがあるが、今は越える越えないなんてどうでもいい。何をもって越えたかもよくわからないし、お互い元気でいれば十分だ。


父と

そんな父と、僕は似てきているのか。
70歳と35歳。比べるにはちょうどいい頃かもしれない。

まずは単純に顔が似てきたかを見比べてみようと思った。

僕は使い慣れていないiPhotoというソフトを開いた。
Macを買ったばかりで写真の整理もなにも一切出来ていない。いままでの写真をひたすら放り込んであるだけである。

よくわからないままポチポチしていると、偶然こんな表示が出た。


似てきたかもなにも、僕が別の人の真似をしている

なんだこれは。

どういう風に比べればいいんだろう。

僕は頭の中が忙しくなったのを感じたので、パソコンをそっと閉じた。




僕はiPhotoからいろいろなメッセージをもらった気がした。

「お父さんと比べても仕方ありませんよ」
「あなたはあなたの人生を過ごしていきなさい」
「お父さんと似ているかなんて小さなこと」
「それよりももっといろいろな人に似せていきなさい」

次は岸部一徳さん、段田安則さん、中村七之助さんあたりの写真を撮ろう。

この記事の元ブログ: 僕もだんだんと父に似ていくのだろうか