10万円株わらしべ投資アイデア集11+α
今回は買う理由の明確な銘柄を選んだ。シナリオ通りなら保有、シナリオ外なら売りと判断できるので、塩漬け防止にもなる。


1. 月次売上高が絶好調

株価織り込みに時間。情報で個人の不利なし

月次売上高で最も注目されるのはファーストリテイリングだが、発表の翌朝には株価に織り込まれてしまう。しかし中小型株は、毎月の売り上げアップが株価に反映されるまでに時間がかかる。ぜひ毎月チェックしたい。月次動向を公表する企業は個人も機関投資家も同じ情報で株を売買できるので、個人の収益機会も大きい。なお、発表中止や簡素化は売り材料。

フジコー(東証マザーズ・2405)
477円/100株 4万7700円
建設廃材処理が本業。月次売上高の公表に加え、個人向け説明会も開催と情報開示が充実。

ライトオン(東証1部・7445)
939円/100株 9万3900円
前々期まで低迷が続いていたが、月次売上高が6月度でようやく前年同月比でプラスに浮上。

ニチイ学館(東証1部・9792)
855円/100株 8万5500円
月次売上高は一貫して前年同月を上回って推移。介護、医療事務とも好調のもよう。

2. 89年バブル型の値動き

歴史は繰り返す。天井はまだまだ上か

日経平均が4万円目前まで駆け上がったのが1989年12月。大型株主導の足かけ3年の大相場だったが、今回の株高も89年バブルと同じく、金融緩和が発端だ。今後、緩和マネーが株価を押し上げるなら、バブル期と似た足どりの銘柄に注目したい。

りそなホールディングス(東証1部・8308)
494円/100株 4万9400円
金融不況に振り回された銘柄だが、公的資金返済でようやく次の成長ステージへ。

丸井グループ(東証1部・8252)
993円/100株 9万9300円
景気が回復して若者層も消費を増せば、この銘柄に資金が向かう。雇用改善がカギ。

野村ホールディングス(東証1部・8604)
789円/100株 7万8900円
株価が上がれば証券株が急伸するのはいつも同じ。市場全体の先行指標でもある。

3. 社長交代で拡大へ

体制一新で業績拡大。社長の顔が見える会社

企業にとって社長交代は一大イベントだ。会社内でも株式市場でも、就任初年度からいきなり減益決算は許されない雰囲気がある。
社長になる人は内定直後こそ神妙な面持ちを崩さないが、株主総会を通過すると、とたんに自分のカラーを出してくる。取引先やアナリスト、マスコミなどと接触するうちに、次第に社長の顔になっていくものだ。 新社長のカラーが見えない会社は投資に不向き。会長や同族役員が意思決定の妨げになっているケースが多い。

MICS化学(ジャスダック・7899)
246円/100株 2万4600円
多層フィルムで首位。非食品分野の拡大で、売上高の大幅アップに期待したい。

トプコン(東証1部・7732)
1027円/100株 10万2700円
精密測量技術とGPSを組み合わせ、農機や建機の自動運転を可能にした。世界展開へ。

ボルテージ(東証1部・3639)
857円/100株 8万5700円
ケータイ向けゲームからスマホに軸足を移行。海外事業が収穫期に入り、増益加速か。

4. 早期に上方修正

控えめな会社予想。好業績の反映待ち

会社発表の業績予想には、会社ごとの個性が浮かび上がる。堅実な会社は堅実に、いい加減な会社はいい加減に業績を見積もるものだ。
今期は前期比で増益を見込む企業が多いだけでなく、国内総生産などマクロ統計でも、景気の底打ち基調がうかがえる。こうした中、特に懸念材料もないのに横ばいまたは減益予想を提示している企業もあるが、9月中間決算前までに、現状に合わせて上方修正してくるだろう。

パルコ(東証1部・8251)
1047円/100株 10万4700円
会社予想では、今期の営業利益はほぼ前期並みだ。人出が増えるにつれて売り上げ増へ。