水色のストライプに真っ白なセーラーカラーの蘭世がキュート!
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14年ぶりの新作が出た。『ときめきトゥナイト』のことだ。
1982年に「りぼん」で連載スタート。吸血鬼と狼女を両親にもつ江藤蘭世と無口でクールな真壁俊の壮大なラブストーリーを描いた大人気少女漫画だ。
1994年に第3部が終了し、いくつかの読み切りを経て1999年に完結。累計2600万部を突破している。

今回の新作『ときめきトゥナイト 真壁俊の事情』は、真壁俊の出生から蘭世との結婚までを8つのエピソードで振り返る。

天真爛漫な蘭世と吸血鬼のお父さん・望里(モーリ)のやりとり、蘭世の恋のライバル・曜子も登場し、初期のドタバタコメディ色が強い。ダーク=カルロやサリなど名脇役とのからみも懐かしい! 作者の池野恋が息子をもつお母さんだからか、連載時よりも俊が年相応の男の子っぽいのもかわいくて新鮮だ。
連載開始から31年。俊の視点で描かれる新作をさらに楽しめる第1部の7つの名シーンを紹介する。

●夢のようなキス、というか夢
俊からもらったネックレスが切れたことで胸騒ぎを感じた蘭世。好奇心も手伝い、俊の夢の世界にはいることに。しかし感情がたかぶった蘭世は自分が抱えていた不安をぶちまけてしまう。「魔界人だけど嫌わないで欲しい」と泣きじゃくる蘭世。泣きながら思いを告白する蘭世にキスをして優しく抱きしめる俊。
この直後、俊が魔界の王子だったことが判明。俊が赤ん坊になってしまったり命を狙われたりするために「キス後の2人は?」という読者の期待は見事に粉砕。過酷な運命に突入する前の束の間の幸せだ。
星が輝く宇宙でのロマンティックなキス! でもあくまで夢!(ヒロインとヒーローの初キスシーンなのに…)

●オールラウンダー蘭世
ツンデレな俊が蘭世の思いを言葉にする超珍しいシーン。
自分の夢の中に閉じ込めてしまった蘭世を助けるためにあわてていた俊。その剣幕をみた母・ターナの「とてもだいじに思っている…ちがう?」という問いにこうこたえる。
「好きとかきらいとかそんなことばではかたづけられないんだ…。母親のように、姉のように、妹のように、親友のように、…恋人のように」
表ではクールな俊も、女手一つで自分を育ててくれた母親には優しく、子どもの顔になる。
照れてるときにすぐ背をむけるのも俊の十八番。誰もいないとこで照れる俊をみるのはのぞき見をしているよう。

●キスで黙らせ、壁ドンでお願い
2011年から全12巻で刊行された新装版。現役漫画家11人が『ときめきトゥナイト』への愛を熱く語るエッセイ漫画が巻末に収録された。11巻に登場した新條まゆが好きなシーンとしてとりあげたのがこれ。
世界征服をもくろむ冥王との闘いに向かう間際、連れて行ってほしいとせがむ蘭世に業を煮やした俊。不意打ちのキスで黙らせた後、壁ドンの体勢で口にしたのはなんとお願い。
「…たのむ。ここにいてくれ…」
ここでも俊は読者に背をむけて顔を見せない。腰がくだけてへたりこむ蘭世を置いてそのまま仲間と出発。「大切だからこそ連れて行かない」のだとわかるだけに、とにかくズルい1シーン。

●双子の弟・アロンとの和解
「ずっとうらやましかっただけなんだ。帰ってこいよ」
冥王のもとにむかう俊に、魔界に残るアロンが思いの丈をぶちまける。
初恋の人である蘭世は俊のことが好きであっさり失恋。王位継承権をもつ王子としての能力も俊に及ばなかったアロン。激しい劣等感からことあるごとに俊に食ってかかっていたが、「これが最後かもしれない」と思ったとき本音が…。これ以降絆を深めていく2人の様子は新作でも描かれている。男の絆、最高!

●「あん…まりよ、真壁くん」
このシーンを見て読むのをやめたという人がいるほど。
冥王を倒すも魔界人の力を使い果たして人間になってしまった俊。人間として生きていくことを決意した彼は蘭世に別れを切り出す。人間になることを望む蘭世を拒絶し、「迷惑だ」と口にしたときの衝撃といったら! そしてその後ショックのあまり気を失った蘭世にキスをして去るという…。
「あん…まりよ」と泣き崩れる蘭世がとにかく辛い。本当は好きなのに蘭世のためを思って離れようとする俊の不器用さもやるせない。(まあ割とすぐ復縁するんだけど)

●呼吸困難からの人工呼吸!
「ちっちくしょう、いいなあ〜」(byアロン)の1シーン。
王位継承者として死の洞窟に水晶をとりにいくことになったアロン。彼を助けるために後を追った俊と蘭世は復活した冥王の妨害にあって洞窟に閉じ込められてしまう。火を操る指輪との合わせ技でたちまち洞窟内は酸欠状態に。あっさり窒息して倒れた蘭世にすかさず俊が人工呼吸! 
連載初期、溺れた蘭世への人工呼吸が失敗していることもありサービス度倍増。

●「大王」としてではなく「父親」として。
恋愛に終始していないのも『ときめきトゥナイト』の魅力の1つだ。
俊は魔界人として生まれ変わったとき、魔界の大王である父親に命を狙われたことがある。王家に生まれた双子のうち、先に生まれた方が魔界を滅ぼすという言い伝えがあったためだ。
その後誤解は解け、おだやかな関係を築くこととなる。しかしアロンの王位継承式典の最中に再び冥王が魔界に攻めてくる。パニック状態の中、冥王が狙ったのは俊。彼を身をていして守ったのは、かつて俊を殺そうとした大王だった。
父親として満足げな笑みを見せた最期は涙もの。

「もう自分をごまかすのはおしまいだ。おれにはおまえが必要だということはごまかしようのない事実なのだから」
「しあわせにする、かならず。してみせる」
「蘭世……いつかおまえをもらいにいく」
もうこれはプロポーズじゃない? というセリフを言ってきた俊のプロポーズもついに発表。そんなとこまで描くのか! にやけること必至。

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(松澤夏織)