先月はネルソン・マンデラ元大統領の家族たちがそのお墓を巡って、ひと悶着を起こしていた。今度はマンデラ氏の葬儀を放送するのは、どこのメディアかという点で問題が勃発している。地元の大手放送局よりもアメリカのメディアに放送権を委ねたとする情報が浮上したが、国民の強い反発を買いそうだ。

『The Sunday Independent』紙によると、6月末に南アフリカの国営放送SABC幹部らとネルソン・マンデラ元大統領の娘や彼女の姪らが集まって会議を行ったそうだ。その会議で、マンデラ氏の家族は「ネルソン・マンデラの葬儀の放送優先権をCNNに要求したい」と言ったという。SABC幹部は「非常に気分を害するが、家族が申し出ることに関しては何もできない」と不満げである。

一方、米CNNの南アフリカ担当は「事実ではない。CNNがマンデラ氏の葬儀を放送する権利を購入したという話もデマだ」と7月8日に発表している。

ちなみにマンデラ元大統領の娘は、以前SABCのインタビューで「海外メディアは人種差別的で強欲」とコメントしてメディアを激怒させたことがある。国民はSABCが国を代表する形で葬儀を放送し、無料で他のメディアに提供するものと思われていた。それだけにCNNに放送優先権を売ろうというのが事実ならば、マンデラ一族の金への執着を見せつけられた感は否めない。
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)