現在、ブレーク中の大久保佳代子(42才)。出演するレギュラー番組は、『女子アナの罰』(TBS系)など計7本。そのうちの2本、『大久保じゃあナイト』(TBS系)と『だんくぼ』(テレビ朝日系)は、今年4月に始まった。

 芸能人としては鳴かず飛ばずの時間が長かった大久保。平日はOLとして働き、それは勤続20年間に及んだ。芸人1本にしぼったのは2010年9月以降のことだ。

 テレビ番組関係者が言う。

「5年ぐらい前だったでしょうか、もうレギュラー番組もありましたし、お金はそこそこもらっていたと思うんですが…昼間の仕事を辞めないの?と聞いたら、『まだまだですよ』と。随分慎重だなぁと思った記憶があります」

 会社の仲間とは「うちの会社はこれでいいのか!」などと話し合うこともあったという大久保。彼女の中では、お笑いもOLも、全力投球だったに違いない。しかし、テレビへの露出が増えるにつれ、周囲の環境がそれを許さなくなってくる。

 同い年で飲み友達でもある女優、池谷のぶえさんは、大久保がかつて、こう言っていたのが印象に残っている。

「会社で、周りがだんだん私と話してくれなくなるんだよ」

 そこには、若い人の多い職場で年を重ねていくことの難しさ、少しずつ有名になることによる周囲の戸惑いの両方が含まれている。それでも昼間の仕事にしがみついたのは、ある日突然、はしごを外される芸能界が怖かったからなのだろう。

 大久保の過去のインタビューを読むと、いつも「いつ仕事がなくなるかわからない」といった発言をしている。その言葉の先は時によって変わり、「できれば結婚したい」になったり、「だから女優もやっておきたい」になる。

「貯金が1億円あると雑誌に書かれたこともありましたが、お金を使わないのは本当です。ずっとこれまで地道にやってきたという思いは、人一倍強いはずです」(番組関係者)

 その大久保がOLを辞めたのは39才の時だ。

「とても大きな決断だったと思います」と池谷さんは言う。

「私もそうでしたが、芸能界って、いつ仕事がなくなるかわからないから、いつも不安を抱えていて、普段の仕事は大きな支えでしたから」

 その大きな支えとなる仕事を捨てて、大久保は変わった。

 それまで池谷さんは、大久保がテレビで下ネタに触れるのを見ると、力んでいる部分を感じることがあったという。

「でも、最近テレビで見ていると、自分のリズムで臆することなくやれている。楽になったんじゃないかな」

 40才を前にして不惑を迎えたのだろうか。その兆しは、いつごろ感じていたのだろう。

 お笑い評論家のラリー遠田さんは「『おねがい!マスカット』が転機では」と話す。2008年から放送されたテレビ東京のこの深夜番組で、大久保は、同じ事務所のおぎやはぎと共に司会を務めた。ほかの出演者はというと、現役のAV女優などで構成された『恵比寿マスカッツ』というグラビアグループ。

 ラリーさんが続ける。

「彼女たちがセクシーさをアピールすると、大久保さんは嫉妬したり、『私も負けてないわよ』感を出したり。性欲などの『下ネタ全開キャラ』や、『いい女ぶるキャラ』がとてもはっきり出ていた」

 このキャラの片鱗は、「めちゃイケ」でも見られていた。しかし、磨かれて、確立されたのは、この番組があったから。そのキャラ作りについて、大久保はインタビューでこんなことを語っている。

「私が恵まれてるのは、OLの時は周りが素人キャラをつけてくれて、性欲強いキャラも周りが盛り上げてくれて…。まあ、そこに適合してきた私はすごいと思うんですが(笑い)。そういうのを一個一個自分なりにやってきたことが、自信になったのかなという気がします」

 そう、今、彼女が引っ張りだこなのは、そのアラフォー不美人の『性欲強いキャラ』が、ウケているからでもある。

 著述家の湯山玲子さんは「彼女が凄いのは、ブスと性欲をクールに両立させているところ」と大絶賛する。

 大久保以前は、ブスが性欲について語ることはタブーだったのだ。そして、時代の追い風が吹いているとも、湯山さんは言う。

「35〜45才のアラフォーは、人口が多いんです。だからこそ、彼女たちが世のブームを生んでいる。イコール、トレンドを作れるんですよ」

 女性視聴者をいかに取り込むかはテレビ局にとって死活問題。それは購買意欲の高いアラフォー女性たちに商品を買ってもらいたいスポンサーの要請でもある。

 大久保に共感を抱くのは、独身者はもちろん、夫がいる人も、子供がいる人も同じ。彼女のストレートな、地に足のついた立ち居振る舞いが、女性の心を強く掴み、それが、より広い支持に繋がっている。

※女性セブン2013年7月4日号