3Dプリンターでつくる「砂糖のアート」

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Sugar Lab社が3Dプリンティングで制作する「3D砂糖」は、角砂糖とは全然違うものだ。複雑なデザインで、大きなものでは高さ25cmほどあるアート作品なのだ。



建築を学ぶ学生だったリズ・フォン・ハッスレンとカイル・フォン・ハッスレンの夫婦は、こうした作品をつくるSugar Lab社を、2012年秋に立ち上げた。



ふたりが初めて砂糖で3Dプリントしたのは2012年秋、友達の誕生日のことだった。「彼女にケーキを焼いてあげたかったんだけど、アパートの部屋にはオーヴンが無かった」とリズは語る。3Dプリンターはあったので、「カップケーキ用の小さくてかわいいトッパーをプリントすることができた。彼女がとても喜んだので、もしかするとほかの人たちも、このアイデアに大喜びするかもしれないと考え始めました」






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「3Dプリントの食品」を試すのに、まず砂糖というのは自然な流れだったとカイルは話す。砂糖は湿ると粘り気が出る。Sugar Lab社の装置は、湿らせた砂糖を薄い層で重ねていくことで、ほかではできない構造体をつくり出す。



カイルによると砂糖の3Dプリンティングでは、ちょうど建築のように設計が重要だ。砂糖でできた構造体の支えは、プラスティック(あるいは金属)でできた構造体とは別物であり、それが作品の形に反映されている。



「独自の制限があり、それが興味深い形をつくりだす。なぜなら、制限があることで注意深くデザインを考えないといけないからだ。複数の次元にカーヴした表面をもち、実際に強度も増す、そんな数学的に複雑な形について考えなければならない」















現在、Sugar Lab社はケーキの制作で菓子店と提携しており、飾り付けだけではなくフロスティング、さらにはケーキを載せる台のプリントも行っている。



「どこのケーキ屋さんにも3Dプリンターがあって、たとえばウェディングケーキの味だけではなく、デザインも選べるようになったらいいなと考えている」とリズは語る。



そして、砂糖というのは食品を3Dプリンティングする手始めにすぎない。彼らは、この世界にはもっと可能性があると考えている。



たとえば、モリモト(「料理の鉄人」の米国版「アイアン・シェフ・アメリカ」で有名になった森本正治)だったら、奇妙なみそ塗りのお菓子をつくるとき、これをどのように使うのだろう。そうしたものがキッチンスタジアム(「アイアン・シェフ・アメリカ」の舞台)に登場するのは、時間の問題ではないだろうか。






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