東京都の労働相談、”メンタルヘルス”関連が3年連続で増加--”嫌がらせ”も増

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東京都は30日、2012年度の労働相談およびあっせんの状況についてとりまとめた結果を発表した。

それによると、2012年度に東京都労働相談情報センターに寄せられた労働相談件数は、前年度比0.4%(208件)減の5万2,155件。2006年度以降、相談件数は7年連続で5万件を超えており、高水準で推移している。

相談項目総数は、前年度比1.0%(1,010項目)増の10万271項目(1件の相談で複数項目にわたる相談があるため、相談件数を上回る)。内訳を見ると、「退職」の1万743項目(全体の10.7%)が3年連続でトップ。次いで、「解雇」の8,800項目(同8.8%)、「職場の嫌がらせ」の7,962項目(同7.9%)、「賃金不払」の7,302項目(同7.3%)、「労働契約」の6,865項目(同6.8%)となった。

「退職」「解雇」の2項目で全体の約2割を占めたほか、「職場の嫌がらせ」に関する相談は前年より8.4%増加した。また、メンタルヘルス不調者に係る相談は前年度比10.3%増の5,857件となり、3年連続で増加した。

企業規模別に見た場合、最も多かったのは「30人未満」で1万2,093件(全体の23.2%)。以下、「300人以上」が8,778件(同16.8%)、「30〜99人」が5,536件(同10.6%)、「100〜299人」が3,811件(7.3%)と続いた。「その他」は2万1,937件(同42.1%)。

契約形態別では、「正社員」が最多で2万8,556件(全体の54.8%)、次いで、「パート・アルバイト」が8,000件(同15.3%)、「契約社員」が5,605件(同10.7%)、「派遣」が2,535件(同4.9%)などとなった。

労働相談のうち「あっせん」に移行したものは561件で、前年度の602件より6.8%減少。調整により紛争当事者が合意して解決したものは394件(前年度404件)で、解決率は70.2%(同67.1%)だった。

「あっせん」項目総数は1,187項目。内容については、「解雇」が187項目(全体の15.8%)でトップ。以下、「退職」が126項目(同10.6%)、「賃金不払」が108項目(同9.1%)、「職場の嫌がらせ」が88項目(同7.4%)、「労働条件変更」が61項目(同5.1%)と続いた。

企業規模別に見ると、「30人未満」が191件(全体の34.0%)で最も多く、次の「30〜99人」の89件(同15.9%)と合わせると、100人未満の企業が5割弱を占めた。

あっせんとは、紛争の当事者間では自主的な解決が困難な案件について、当事者からの要請を踏まえ、東京都として関与が必要と判断し、その関与に係る双方の了解に基づいて、示唆、助言、解決策の提案などを通じて自主的な解決に向けて双方の合意形成を図ることを援助する行為。