渦中のキーガン・ブラッドリーの中尺パター これってインチキ?(撮影:福田文平)

写真拡大

 PGAツアーのティム・フィンチェム会長は、USGAとR&Aが提案しているアンカリング(パッティングの際、胸や腹にクラブを固定してストロークすること)禁止のルール改正について、ツアーとして反対の姿勢を表明した。アンカリングをしている選手が他の選手と比べて有利である根拠が不足していることなどが、異議を表明した理由となっている。
AKB48山内鈴蘭がアンカリングして長尺パターを打ってみた
 これを受けて、腹部に固定してストロークするベリーパターで2011年の「全米プロゴルフ選手権」を制したキーガン・ブラッドリー(米国)が「ザ・ホンダ・クラシック」の練習日に会見。ブラッドリーはPGAツアーの姿勢に感謝を示しながらも、「多くの人からインチキしていると言われる。本当にタフな状況だ。USGAももっと選手のことを考えてくれればよかったのに」と厳しい対応を強いられていることを沈痛な表情で訴えた。
 PGAツアーには、ブラッドリーをはじめとしてアンカリング使用者が18%を占めるというデータもある。彼らにとって今回の発表は追い風が吹いたともいえるが、ゴルフ界で未だもっとも影響力を持つ元世界王者タイガー・ウッズ(米国)の意見はまた違う。
 ウッズは以前から「パッティングは身体とクラブと、そしてスイングをコントロールする芸術だと考えている」と伝統的なスタイルを支持してきたが、改めてその意見に変わりがないことを強調。「自分の立場は変わらない。やはり、“スイング”をされるべきだと思う。アンカーされるべきではないという立場は全く変わっていない」とアンカリングに反対の姿勢を示した。
 PGAツアーとゴルフ界に大きな影響力を持つウッズ。そして、当事者のアンカリング使用者達。どれもも無視はできないUSGAとR&Aはいったいどんな結論を出すのか。欧州ツアーは規制に反対する姿勢を見せていないため、最悪の場合試合によってアンカリングに対するルールが変わる可能性もある。複雑化する問題にそろそろ着地点が欲しい。
<ゴルフ情報ALBA.Net>