2013-14年秋冬パリコレクション開幕〜未来的なムードや東洋モチーフ〜

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 2013-14年秋冬パリコレクションが26日からスタートした。今シーズンは3月6日までの9日間で100近いブランドがコレクションを発表。「ATSURO TAYAMA(アツロウタヤマ)」や2011-12年秋冬コレクション以来のパリコレクション復活となることで注目される「UNDERCOVER(アンダーカバー)」などオフスケジュールで発表するブランドを含めると、コレクションの数は100を超える。初日には11ブランドがコレクションを発表。秋冬コレクションらしく落ち着いた色が中心だが、ドッキングやグラフィック、前後の違うデザインなどで変化を出したものや未来的なムード、東洋的なモチーフも目を引いた。(写真・文:ジャーナリスト樋口真一)

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 「CÉDRIC CHARLIER(セドリック・シャルリエ)」はクチュール的なデザインやマスキュリンなデザインに未来的なムードや東洋的な要素をミックスした。隈取りを思わせるメークのモデルの着るコートやベスト、ドレスなどは、クチュール系のブラントやラグジュアリーブランドなどでも出てきそうなデザインの中に、切り替えやドッキング、グラフィックなどを加えることで、ロボットやスポーツウエアのようなムードをプラスしている。また、前回も見せたアシメトリーやファスナー、抽象柄とともに、東洋的なモチーフも目を引いた。メイク同様にエスニックレッドということなのだろうか。フィナーレは80年代に赤のコレクションを発表した時の「COMME DES GARÇONS(コム デ ギャルソン)」を思い出すような赤い照明の中をモデルたちが進んだ。

 「GROUND ZERO(グラウンドゼロ)」は前シーズンに続き、ガンダムやウルトラマンなど、日本のアニメや特撮から影響されたようなコレクションを発表した。前回のミラータイプのアイウエアに続く透明のマスクなど、フューチャリスティックなムードは変わらないが、ロボットのモチーフをそのまま使ったデザインやポケモンのようなカワイイイメージではなく、プリントの一部に取り入れるなど、前回に比べてよりクールでシャープなデザインに仕上げている。また、かつての「MUGLER(ミュグレー)」を思わせるロボットのようなニットやライダースジャケットなどリアルなデザインとのコーディネートも提案している。

 映像と展示、ビジュアルの3つを組み合わせたプレゼンテーション形式でコレクションを発表した「LE MOINE TRICOTE(ル・モワンヌ・トリコッテ)」。ブランド名通りニットがほとんどだが、今回は透ける素材とニットの組み合わせや編み地や質感などタイプの違うニットとニット、ニットと布帛など、相反する要素をミックスしたコレクションを見せた。(写真・文:ジャーナリスト樋口真一)