あの外国人の名前、言語が変わると読み方はどう変わる?



英語圏の方でよくある名前のMichael(マイケル)。このMichaelという名前は、英語圏だとこのように読みますが、ドイツ語ではミハエル、スペイン語ではミゲル、フランス語ではミシェル、と言語が違うと読み方が変化します。



今回は、マイケルのようなよくある外国人の名前が、言語の違いでどんなふうに変わるのかご紹介します。



●George(英語読み:ジョージ)

アメリカ初代大統領のジョージ・ワシントンなどが有名です。このジョージも言語で読み方が大きく変わります。



フランス語……ジョルジュ

ドイツ語……ゲオルグ

イタリア語……ジョルジョ

スペイン語……ホルヘ



世界的に有名な「おさるのジョージ」も、ドイツだと「おさるのゲオルグ」になります。なんだか強そうです。



●Peter(英語読み:ピーター)

ピーター・パンなどで有名なピーター。新約聖書の使徒のペトロに由来する名前だそうです。ほかの言語では、



フランス語……ピエール

ドイツ語……ペーター

イタリア語……ピエトロ

スペイン語……ペドロ



となっています。フランスではピエール(Pierre)がピーターに対応する名前なのだとか。ということは、ピエール・パンになるのでしょうか?



●William(英語読み:ウィリアム)

現在のイギリス王室の開祖となったウィリアム1世をはじめ、数多くの有名な外国人に付けられている「ウィリアム」という名前。これが別の言語になると……



フランス語……ギヨーム

ドイツ語……ヴィルヘルム

イタリア語……グリエルモ

スペイン語……ギリュルモ



とさまざまに変化します。頭の上に載せたリンゴを弓矢で撃ち抜いたウィリアム・テルの場合、ドイツ語読みだとヴィルヘルム・テルとなります。かっこよくなった気がします。



●Robert(英語読み:ロバート)

日本だとお笑い芸人のトリオ名として有名なロバート。これも英語読みです。ほかの言語の場合は……



フランス語……ロベール

ドイツ語……ルプレヒト

イタリア語……ロベルト

スペイン語……ロベルト



となります。どれもそこまで大きな変化はありませんが、ドイツ語だけ大きく変わっていますね。お笑い芸人のロバートも、ドイツに行ったら「ルプレヒト」と名乗るといいかもしれません。



●Steven(英語読み:スティーヴン)

スティーヴン・キングやスティーヴン・スピルバーグなどが有名なスティーヴンという名前。ギリシャ語で「冠」を意味する言葉が由来だそうです。ほかの言語にすると、



フランス語……エティエンヌ

ドイツ語……シュテファン

イタリア語……ステファノ

スペイン語……セバスチャン



となります。ちなみにスティーヴン・スピルバーグをドイツ語読みにすると、シュテファン・シュピールベルクになります。どちらにしろインパクトのある名前ですよね。



●Henry(英語読み:ヘンリー)

イングランドの王であるヘンリー1世や、小説家のオー・ヘンリーなどが有名な「ヘンリー」。家長を意味するので、長男に付けるのが原則なんだそうです。他言語だと……



フランス語……アンリ

ドイツ語……ハインリ

イタリア語……エンリコ

スペイン語……エンリケ



となります。フランスの有名サッカー選手のアンリの場合、スペイン語圏だとエンリケになってしまうんですね。アンリはスピードが持ち味の選手ですが、エンリケと聞くとなぜだかゴツいイメージになってしまいます。



●David(英語読み:デイヴィッド)

デイヴィッド・ボウイやデイヴィッド・ベッカムなどの有名人がまず頭に浮かぶこの名前。ほかの言語だとこうなります。



フランス語……ダヴィド

ドイツ語……ダーヴィト

イタリア語……ダヴィデ

スペイン語……ダビド



有名な彫刻のダヴィデ像は英語圏の国だとデイヴィッド像という読み方になりますね。なんだか最近の彫刻っぽくなった気がします。



●Catherine(英語読み:キャサリン)

英語圏の女性によく見かける「キャサリン」という名前。「カタロス」というギリシャ語が語源になっているといわれています。別の言語だと……



フランス語……カトリーヌ

ドイツ語……カタリーナ

イタリア語……カテリーナ

スペイン語……カタリナ



どれも「Ca」を「カ」と読むのが共通していますね。女優のキャサリン・ゼタ・ジョーンズをフランス読みにすると、カトリーヌ・ゼタ・ジョーヌになります。



●Margaret(英語読み:マーガレット)

花の名前や、日本では少女向け雑誌の名前としても有名です。イギリスの元首相のマーガレット・サッチャーも広く知られていますね。さて、違う言語だとどう変わるのでしょうか?



フランス語……マルグリット

ドイツ語……マルガレーテ

イタリア語……マルゲリータ

スペイン語……マルガリータ



英語圏以外だと、主に「Mar」を「マル」と読むようですね。ちなみにイタリアのピザ・マルゲリータは、イタリアの王妃マルゲリータが由来なのだとか。もしフランス語圏でこのピザが生まれていたらマルグリットという名前になっていたかもしれませんね。





このように、外国の名前というのは言語の違いでさまざまに変化しています。読む人の認識によって名前が変化するのは、面白いですね。ほかにも、英語の「シーザー」がドイツ語では「カイザー」だったり、エリザベス女王の「エリザベス」がスペイン語では「イサベル」だったりと、言語によって変化する名前はたくさんあるので、気になる人はぜひ調べてみてください!



(貫井康徳@dcp)