カレーと煮物のハーモニーが楽しめる「麻世カレー」は、サラダ付きで850円。

写真拡大 (全2枚)

大阪の枚方というところに「コハク」という地元密着型の喫茶店があるのだが、実はここ、地元では有名な川崎麻世さんの実家が経営されているお店で「麻世カレー」なるメニューがあるらしい。先日、近くを訪れる機会があったので、お昼ごはんに食べてみることに。

外観はごく普通の喫茶店だが、しっかり麻世さんが出演する舞台のポスターなどが飾られている。一歩中に入るとおばちゃんたちで大賑わい! どうやら、近所に住むマダムたちの憩いの場となっている模様。カレーを待つあいだ、店内をチェックするとカウンター奥に麻世のポートレートがあり、左下には仲睦まじく微笑む、幸せそうな麻世ファミリー(カイヤ含む)の写真も……。

変わりゆく愛のかたちに思いを馳せていると、待望の「麻世カレー」が私の前にはこばれてきた。トッピングにかぼちゃや茄子、れんこん、にんじん、ブロッコリー、里芋などがゴロゴロのっかった、なんとも体によさそうなカレーである。あまつさえ、ロースハムやタケノコのようなものまでのっている。ひとくち食べてみて、ん?
素揚げした野菜かと思いきや、結構しっかりした下味がついており……なんとこれ、すべて「煮物」ということだった。わー……。どこか昭和テイストなカレーと、おふくろの味テイストな煮物のハーモニー。いや、けっこう衝撃的というか、今まで食べたことがない余韻を残すカレーであった。

スタッフの方によると、このお店は昭和33年に麻世さんのおじいさんとおばあさんが開店したという。現在、お店は麻世さんのお母様が受け継いでいるのだが、このカレーは2000年に入ってから祖父の残したレシピにアレンジを加え、麻世さん自身がアイデアを出して考案したものとか。煮物を上にのせたのは、おばあさんが煮物が得意だったからそうで、ダイナミックな野菜の切り方もそのまんま再現しているのだそうで……。なるほど、なんかほっこりするあたたかい味なのは、家族の思い出が詰まっているから、なんですねえ。

なお、店内には麻世さんのおじいさんが若き日に神戸で撮ったという写真も飾られているのだが、カメラ目線ではない、視線をあらぬ方向にそらした昭和初期の人とは思えないキメポーズが印象的であった。やはり、男前の孫は男前ということだろうか……。もし、皆さんが「コハク」を訪れる機会があれば、このおじいさんの写真もぜひチェックしてみてほしい。
(まめこ)