10月から、密かに消しゴムで消しやすい中紙に入れ替わっていた。

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学生時代、こんな失敗をしたことがある。テストの答案用紙に、回答を書きカキ……。しかし、ちょっと待てよ。間違ってる気がする。そこで消しゴムを取り出し、先程の回答を消去。新たに、確信が持てる回答を書き込んでみせた。
そして数分後。問題への回答を全て終え、後は見直し作業です。……ん、待てよ? さっきの設問、これでいいんだろうか? 再び書いては消し、書いては消し、の動作を繰り返してると、終いにはそこだけが真っ黒になってしまい、傍から見たら何のこっちゃわからなくなっている。
結果、その問題に関してはペケをいただく羽目に。どうやら、最初に書き込んだ回答で合ってたみたいなんですが。

ってか、私個人の能力として消しゴム使いが下手みたい。自分のノートでも、消しゴムを使ったらページが真っ黒になったり、ビリっと破れたり、有り得ない失敗が多いもんで。筆圧が強すぎるのも問題なんだろうけど。
そこで、このニュース。コクヨから発売されている、小学生用の『キャンパスノート(用途別)』が密かにリニューアルされているみたいなんです。

どうリニューアルされているのか? そこで、現在発売中のキャンパスノート(用途別)を手にとってみた。そして凝視。……発見しました。表紙に記された「消しゴムできれいに消しやすい!」という記述を。
要するに、そういうことです。同社のキャンパスノート(用途別)の中紙は、今年の10月から「消しゴムできれいに消しやすい」に順次切り替わっているらしいのです。
「当社が実施した小学生のお母さんへの調査(2010年12月)によると、お子さんの使うノートの一番の不満点は『消しゴムで消しても跡が残る(44%)』でした」(同社・担当者)
確かに。わんぱく盛りの小学生の筆圧は、天井知らずだもの! 微笑ましいじゃないですか。だからこそ、ノートの質でバックアップしてあげるのですよ。

じゃあ、もう一つ質問を。何がどうなって、消しやすくなった?
「紙の繊維間のすき間を埋め、鉛筆の黒鉛が紙の中に入り込むことを防いでいます。また紙の表面を滑らかにする事で黒鉛が消しゴムに吸着されやすくなり、きれいに消しやすくなりました」(担当者)

では、どのくらい消しやすくなったかというと。その辺りについては、同社が行った実験を参考にしてみたいと思います。
用いられたのは鉛筆(濃度B)と、消しゴム(ケシ‐1N)と、キャンパスノート(用途別)の新バージョンと旧バージョン。まずはノートに“ビーッ”と画線を引き、200グラムと500グラムの消しゴムで線を消去……。
さて、結果はどうなったか? その辺りについては、画像をご覧いただきましょうか。……わかります? わかるでしょう。旧ノートより現行ノートの方が、明らかに根こそぎ線が消えてなくなっている。
顕微鏡でアップにすると、もっとわかりやすい。繊維間に入り込んでいる黒鉛が、新と旧で明らかに差があるじゃないですか。

では、個人的にも実験を。私も「消しゴムできれいに消しやすい」中紙が用いられたキャンパスノート(用途別)と、比較対象のために他社ノートを購入。文字を書いて、消しゴムで消してやりました。
……あぁ、言われてみれば。まず、滑りが違う。紙に擦り合わせると、消しゴムが“サラーッ”と行き来するのはキャンパスノートの方。それと比べると、確かに他社ノートの方は消しゴムの進みがつっかえるかも。
また、消し心地も違う。他社ノートは、皆さんご存知の消えっぷりです。一方、キャンパスノートだと消しゴムの通り道が車輪跡のように白紙に戻っていくな……。なるほどです。

今回の「消しゴムできれいに消しやすい」中紙は、「子供の力でも簡単に消しやすい」を念頭にして開発されたという。一年間かけて開発された紙の威力は伊達じゃありませんでした。
(寺西ジャジューカ)