くまモンの旅は熊本城からスタート。映っていないが、くまモンのまわりはファンの皆さんでいっぱい

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「くまモン」
熊本県のマスコットキャラクターであり、言わずと知れた人気者である。2011年の関連グッズの売り上げは25億円を超えたという。そのくまモンが、初の写真集「くまモン、どこ行くの?」(飛鳥新社)を出版。全て撮りおろしで、オールカラーだ。今日は、編集を担当された石橋淑美さんに撮影秘話を伺った。

――「くまモン」の写真集は、どういう内容ですか?
「仕事でお疲れ気味のくまモンが一人(一頭?)旅を敢行。熊本県内のさまざまな場所に出没して、新しいお友達をたくさん作ってリフレッシュして帰ってくるという内容です。単に写真を並べたものではなく、ロードムービーのような流れがあります」

――くまモンも、リフレッシュできて良かったですね(笑)。写真も綺麗で、面白い写真が多かったです!
「撮影は、写真家の浅田政志さんにお願いしました。浅田さんの写真集『浅田家』のように、変わり種の写真集が好きだったので、浅田さんがくまモンを撮影したら、面白い写真が撮れるんじゃないかと思いまして、そしたら全くその通りになりました」

――石橋さんから見て、くまモンの魅力はどこにあると思いますか?
「とにかく動きがユニークですね。コミカルかつ軽快な動きに惹かれちゃいます。地元の方の話では、くまモンが誕生した頃は、体が大きくて黒いから怖がっていた子どももいたようですが、動きが面白いことが話題になって、いつしかファンになっていった子が多いようです」

――確かに、くまモンは手が短くて、どこか小刻みに動いているイメージがありますね。写真は全て熊本で撮られていますが、熊本での撮影はいかがでした?
「実際に熊本に行ってみて、熊本の皆さんが、本当にくまモンのことを愛しているということが分かりましたね。撮影をさせていただく場所の関係者の方には、くまモンが来ることを前もって伝えているのですが、どこからか『くまモンが来るらしい』という噂が流れて、あっという間に地元の皆さんが集まってくるんです。皆さん、会いたがっていたみたいで」

――私は、くまモンにお会いしたことがないのですが、どんな性格ですか?
「かなり、やんちゃですよ。いたずら好きで、撮影をしている時も、浅田さんや私にちょっかいを出してきましたから(笑)。頼んでもないのに、面白い動きで小芝居をして、まわりの皆さんを笑わせようとしますし。でもそれは、くまモンに自分自身のことを好きになってほしいという思いが強いからだと思います。そういった意味では、裏のない性格と言えますね。あと、くまモンは女の子が好きです。といっても、くまモンに寄ってくるのは老若男女さまざまですけど(笑)」

――老若男女どころか、写真集では人間以外に、たくさんのモルモットと一緒に映ってますね。
「熊本市動植物園の『モルモットのひな壇』で撮影しました。本当は、クマとも一緒に撮りたかったんですけど、大きな柵があったので、うまく撮れなくて…。ちなみに、くまモンがサル山に近づくと、サル達が大騒ぎをして威嚇をしてくるそうで、今回は近づきませんでした(笑)」

――温泉にも行ってましたね。
「そうなんです。くまモンは、開湯600年の日奈久温泉にも行きました。温泉では体重計にも乗ってましたが、くまモンの体重が何kgあるかは、写真集を見てのお楽しみということで…。ちなみに、くまモンは普段から服を着てないのに、お風呂ではなぜかガードが固くて照れくさそうにしていたところが印象的でした(笑)。動物園や温泉以外にも、天草ではタコの漁を体験したり、熊本名物の馬刺しを食べたり、おてもやんの皆さんと一緒に踊ったり、地元の高校生の皆さんと鉄棒をしたりと、かなり内容の濃い旅行になっています」

――経験していることが多くて、意外にハードですね(笑)。では、くまモンのファンの皆さんにメッセージを。
「冒頭でも少し触れましたが、写真集では、お疲れ気味だったくまモンが、熊本県内を旅行している間に、行く先々で新しいお友達にたくさん出会って、リフレッシュして帰ってくるという内容ですので、皆さんもぜひ癒されていただければと思います」

写真集では、撮影した1000枚以上の写真のうち、およそ90枚を掲載。浅田さんの遊びの要素が入った珠玉の写真ばかりなので、くまモンの愛くるしい姿や熊本の景色などを含めてじっくり楽しめる内容となっている。それにしても、これだけたくさんの人に愛されているなんて、いつまでたってもツイッターのフォロワーが増えない私にとっては、くまモンが羨ましい。私も今すぐ熊本に行って、新しいお友達をつくりたいだモン!
(やきそばかおる)