作家インタビューなども含めて味わい深いハンドメイド通販サイト『iichi』。

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ご当地○○、季節限定○○、○○×○○のコラボ商品、○○別注商品……近年、雨後のタケノコのごとく市場に氾濫しているモノのひとつに“限定アイテム”がある。
なんだかんだでこの手の商品の人気が定着しているのは、私たちの考え方がひと昔前の“流行りのスタイルをそっくりコピーする”形ではなく、“自分の好きなモノ、できれば他人とかぶらないモノで身の回りを固める”という方向にシフトした結果なのだろう。

アクセサリーやストラップくらい、自分でちゃちゃっと作ってみたいとは思う。でも材料探しの手間やそれにかかる費用、制作時間を考えると手近なお店で「まぁ、これでいっか……」な展開になってしまいがちなのだが、もし“他人が作ってくれた”“価格が手頃で”“センスのあるアイテムが”“たくさんの色・柄から選べる”ならどうだろう?

ここ2〜3年で、新進アーティストたちが手掛けたアクセサリーや帽子などのファッションアイテム、椅子や照明などのインテリアetc.を販売するハンドメイド作品の通販サイトがぐっと増えた。約12万点以上という圧倒的な作品数を誇る『tetote(テトテ)』や、作品情報だけでなく人気作家のインタビューや雑貨マーケットなどのイベント情報なども充実している『iichi(イイチ)』などがその例だ。動物モチーフなどのキュートなアイテムがそろう『minne(ミンネ)』や、スタイリッシュでユニセックス向けアイテムも多い『DAN-TE(ダンテ)』、欲しい色や素材でも検索ができる『Creema(クリーマ)』など、サイトによってテイストや使い勝手もさまざまだ。

例えば“ネックレス”や“バッグ”といったアイテムごとに作品をチェックして、ビビッときたモノが見つかったらそれを手掛けたアーティストの作品一覧をチェック。コーディネートでアイテムを購入できるなど、ショッピングの選択肢を広げられるのがうれしいところ。そして作家やアイテムにもよるが、ほとんどのサイトで作品の色やデザインを自分好みにカスタムオーダーできるなど、味わい深い一点モノを手に入れられるのがハンドメイド通販の醍醐味といえる。

いずれも価格は実費+αという作品が多いため、一般のメーカーやブランド品よりお手頃なのも魅力。スタートの頃はオークションサイトのように出品者と直接代金や発送のやり取りをするサイトも多くトラブルもゼロではなかったが、現在はほとんどのサイトで運営会社が間に入って代金のやり取りを行っているため、通常の通販サイトとほぼ同じように使えるようになった。支払い方法も、クレジットカード払いやコンビニ払いを導入しているサイトが多い。

デメリットがあるとすればハンドメイドのため、注文を受けてから制作するタイプのものは到着までの日数がかかるということ。ギフトラッピング対応のサイトもあるが、誕生日やクリスマスなど記念日の贈り物にと考えている場合は、前もって出品者へ問い合わせたほうがスムーズだ。またどのサイトでも、作品が届いてからのキャンセルは破損などの理由以外では受け付けていないので注意してほしい。

上記で挙げたのは国内のサイトばかりだが、ハンドメイド通販の大手といえばアメリカの『Etsy(エッツィ)』を思い浮かべる人も多いだろう。国内ではまずお目にかかれないような圧倒的なアイテム数や作品ジャンル数もさることながら、こちらの場合はハロウィンやクリスマスなど季節のイベント用のパーティファッションやインテリア、カード類などのグリーティングアイテムが充実しているのが特徴だ。こちらはオンライン決済システム“Paypal”(ペイパル、クレジットカードで登録可能)でショッピングができる。出品者によって日本まで発送してくれるかどうかや、洋服などのサイズの目安、到着までの日数など対応が異なるため、英語が苦手な人は翻訳サイトなどを使って出品者ごとの注意書きをしっかり読み込んでおくことをオススメする。

サイトを見ているだけでもワクワクできて、自分好みの作品や作家たちとの出会いも期待できるハンドメイド通販。人と集まったり、人に贈り物をする機会が増える年末年始、今年はひと味違うアイテムで攻めてみるのはどうだろうか?
(古知屋ジュン)