ジョン・フィッチの復活、デミアン・マイアの台頭――ウェルター級トップコンテンダー対決に臨むマーティン・カンプマンとジョニー・ヘンドリッグス。挑戦権獲得へ譲れない一番を迎える (C) GONGKAKUTOGI

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17日(土・現地時間)、カナダはケベック州モントリオールのベル・センターで開催されるUFC154「St-Pierre vs Condit」。マーティン・カンプマンとジョニー・ヘンドリックスはウェルター級の次期挑戦者の座に少しでも近づくために激突する。

長期欠場を経て復帰したGSPとカーロス・コンディットによるウェルター級王座統一戦が行われる今大会。混迷の階級となったウェルター級で一つの結果=新たな頂点が生まれることになり、この大会を機にウェルター級は新たな時代に突入することになる。

ヘンドリックスはUFC戦績9勝1敗。WECからUFCに主戦場を移してから、確実に勝ち星を積み重ね、ジョン・フィッチとジョシュ・コスチェックに連勝。ウェルター級新勢力を代表する選手として、タイトル戦が視野に入るポジションまで駒を進めてきた。

一方のカンプマンは2006年からUFCを主戦場にしており、試合数・キャリアは豊富なものの、トップ選手との対戦で分が悪く、第2グループに甘んじていた。しかし、チアゴ・アウベスに逆転一本勝ちすると、ジェイク・エレンバーガーとの出世争いマッチでもKO勝ちし、トップ戦線への浮上が狙える位置にいる。

ヘンドリックスはレスリングがバックボーンながら、サウスポーから繰り出す左の強打から、クリンチワーク・ケージレスリングでプレッシャーをかけるタイプ。カンプマンは距離を取りつつパンチと蹴りのコンビネーションで削り、相手のテイクダウンには首相撲からのヒザ蹴りで対抗し、ギロチンでのフィニッシュを狙えば、テイクダウンからパス、バックを狙うこともできるオールラウンダーだ。

勝負を分けるのはパンチ&テイクダウンのヘンドリックスをカンプマンがどれだけ削ることが出来るか。またヘンドリックスとしては、カンプマンのような本格的に打撃を使いこなす選手はUFCでは初めて。逆にカンプマンは前回のエレンバーガー戦に続き、レスラータイプの選手との対戦となる。経験値としてはカンプマン有利、ヘンドリックスのポテンシャルがそれを上回るかどうかもポイントとなるだろう。

その他のカードでは、日本の福田力と対戦した選手同士の一戦として、ニック・リングVSコンスタンティノス・フィリッポウの結果には注目したい。

記録上は福田に黒星をつけているリングだが、試合内容では福田がリングを圧倒。逆にフィリッポウは福田のパンチ&タックルをシャットアウトして判定勝利している。福田とマッチメークされるレベルの選手たちがどんな試合をするのか、そして誰が勝ち上がっていくのか。三段論法ではなく、今後の福田を交えたミドル級戦線を予測する意味で、こういった選手たちの直接対決やマッチメークは気になるところだ。
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