【Fashion Week DAY8】宮下公園を舞台に4ブランドのカオスなスペクタクルショー

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【ファッションウィーク東京・ハイライト 8日目】「Mercedes-Benz Fashion Week TOKYO 2013 S/S(メルセデス・ベンツ ファッション・ウィーク 東京 2013 S/S)」最終日となった10月20日、ファッションの祭典「 SHIBUYA FASHION FESTIVAL vol.2」(=シブフェス)が開催された宮下公園を舞台に、4ブランドのファッションショーが開催された。アイドルとコラボした「MIKIO SAKABE(ミキオサカベ)」、アンバランスな愛を表現した「Jenny Fax(ジェニーファックス)」、都会的なサバイバルウェア「banal chic bizarre(バナル シック ビザール)」、そしてカオスなスペクタクル「writtenafterwards(リトゥンアフターワーズ)」と、それぞれのブランドでアイデンティティーが際立った。

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 「MIKIO SAKABE」は、ツインドラムアイドル「バンドじゃないもん!」とコラボレーションして2013年春夏コレクションを発表した。ステージにメンズモデルが登場するが、アイドルのステージを無視して少女コミックを読み続けるというシュールな演出。デザイナーShueh Jen-Fangが、1990年代のトレンディドラマからイメージしたという「Jenny Fax」のコレクションテーマは「LOVE」。ドラマに出てきそうな典型的な女性像が描かれたが、そのスタイルはどこかアンバランスだ。フィナーレのウエディングのシーンでは、コイン製のハートや頭に刺さったケーキナイフ、ゴシック調のヘアメイクなど、想像上のラブストーリーに一抹の狂気が混ざった。

 「banal chic bizarre」のショーは、背後に山の手線が走る宮下公園の橋がランウェイになった。デザイナー市毛綾乃が休職中のため、中川瞬のソロで発表されたメンズコレクションのテーマは「Water Battle Survivor」。「水鉄砲のサバイバルゲームをイケてるゲームに」という考えから、都会の雑踏でも目立つような蛍光色の迷彩柄が随所に使用されたタフな戦闘服が、ストリートのリアルクローズに落とし込まれた。

 「THE SEVEN GODS-clothes from chaos-」をタイトルに、2011年から発表しているストーリーの最終章となるショーを開催したのは「writtenafterwards」。実に2年半ぶりのランウェイショーとあって、野外の会場には一般客を含め多くの観客が集まった。ビニールシートや紙袋、スポンジやぬいぐるみなど寄せ集めで作られ、2009-10年秋冬の"ゴミコレクション"を思い起こさせる最初の18体は、主人公の「アダム浦島」が渾身の力で制作したという設定で、まさにカオス。神龍(シェンロン)を呼び天に召されたアダムの願いは、服の神様"THE SEVEN GODS=七服神"によって叶えられ、フィナーレでは筋斗雲(きんとうん)に乗ったアダムが初めて服を着て登場。前回発表された「動物たちによる新しい貨幣(0 written note)」の絵柄を使ったジャカード素材で仕立てられた唯一の服(トレーナーとショートパンツ)の発表で、一連の物語が完結した。ファッションの歴史を0から作り上げることを試みたデザイナー山縣良和は、「ファッションは瞬間の芸術だと思う。欲や様々なベクトルが混ざり、永遠性や装う力の最大値を神が降臨する祭りに込めた」とし、ファッションの本質や表現することの価値を作ることに挑戦。大規模なスペクタクルショーがファッションウィークのラストを飾った。


■コレクションレポート(映像・画像)
 MIKIO SAKABE:http://www.fashionsnap.com/collection/mikio-sakabe/2013ss/
 Jenny Fax:http://www.fashionsnap.com/collection/jenny-fax/2013ss/
 banal chic bizarre:http://www.fashionsnap.com/collection/banal-chic-bizarre/2013ss/
 writtenafterwards:http://www.fashionsnap.com/collection/writtenafterwards/2013ss/