ドイツ流整理術 生活雑貨を選ぶときのポイントは?

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 ドイツという国にどんなイメージを持っているだろうか? エコ先進国、国民性は勤勉でお堅いなどがまず思い浮かぶ人も多いだろう。倹約家で合理的な国民性を持つドイツ人だが、「整理整頓を覚え、好きになりなさい。時間と手間を省いてくれるから」ということわざがあるように、整理・整頓にも意識が高いようだ。
 母親がドイツ人であり、ドイツと日本という2つの国を見つめて来た門倉多仁亜さんは『タニアのドイツ式整理術・完全版』(集英社/刊)の中で、収納から家具選び、情報・時間まで様々なもののドイツ式整理術を日本人に向けにわかりやすく解説した“タニア流ドイツ式整理術”として紹介している。今回は門倉さんにドイツ式整理術についてお話を聞いてみた。(新刊JP編集部)

■生活雑貨、選ぶときのポイントは?

―母方がドイツ人であるという門倉さんですが、日本とドイツという2つの国の人々の生活を見てみて、最も違いを感じる部分はどこですか?

「ドイツ人は個人主義だし、日本人は和を重んじるというか、個人を主張しない気がします。そこに一番違いを感じます。ドイツ人は「自分の考え」をそれぞれが持っている。日本人は皆一緒じゃなければいけない、というところがあるように思えます。自分の考えを持っていない人は、ドイツではまずありえないのですが・・。友人同士でも、散歩しながら色々なことを話し合うのが皆、好きですね。

―今回出版された『タニアのドイツ式整理術・完全版』というタイトルの“完全版”の意味について教えていただけますか?

「今まで、雑誌の取材で整理法を取り上げていただいたり、単行本でも素敵な暮らしを提案する中で、片づけについて書いたりしていました。けれど、1冊丸ごと整理術について書いたことはありませんでした。でも、よく考えたら気持ちのいい暮らしをする上で、いろいろなことがきちんと整理されていることは、一番大切なことではないか、と思いました。モノを片付けるばかりでなく、モノの持ち方について考えたり、情報のまとめ方や時間の使い方についてまで書きました。今回は、自分の生活全般について改めてふりかえってみた気がしています。それで、担当編集者と相談して「完全版」というタイトルでいいかな、と」

―本書には玄関や台所(キッチン)、洗面所まわりなど、散らかりやすいところの整理術がかなり具体的に書かれていて、とても実用的な一冊だと思いました。その中で、こうした整理術を習慣づけするために、門倉さんはどのようなこと勧められていますか?

「あくまでも私の場合ですが・・・私は、まず何をしたいのか、しなくてはいけないのか、 紙に書き出しリストを作ります。そして、プライオリティをつけて1日のどこでそれをするのか、日課を考えてやってみます。そしてそれを習慣にしていけば、スムーズにできるのではないでしょうか。もちろんやりながら改善したほうがいいところはどんどん変えていきます。そうしていくうちに、自分流の整理術ができるのではないでしょうか」

―整理のためには物を溜めるのではなく、物を捨てていく、手放すことも大切だと思います。その捨てる先の代表的な存在がゴミ箱だと思うのですが、「ゴミ箱」はどこにどう配置することで使いやすくなるのでしょうか。

「まず、ゴミ箱の数を減らすことが大事です。数が多いとそのゴミを集める手間が増えてしまうでしょう?また、ゴミ箱はゴミの出やすい場所に置きます。キッチン、洗面所、デスクまわりあたりでしょうか」

―食器やキッチン用品といった生活雑貨を選ぶときのポイントを教えてください。

「まず、そのものが「絶対なくてはならないものかどうか」を考えます。これがないと毎日の生活に困る、とわかったら買いにいきます。ポイントは必要かどうか、ですね」

(後編に続く)