本田榮二氏が本格的歴史書「インテリアの歴史」発行

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インテリア文化研究所(主宰:本田榮二代表)は、12月1日(木)で発足7周年を迎えるが、これを記念して代表の本田氏は、12月1日(木)に本格的インテリア歴史書「インテリアの歴史」を(株)秀和システムから全国一斉発売する。

生活文化の一翼を担うインテリアの中でも、財産として長く受けつがれる家具は、把握が容易なため歴史を記述した本は多数あるが、カーテンやカーペットなどのインテリア内装材は、保存例が少ないため把握が難しく、歴史を解説した本は皆無といわれている。本田代表はインテリア内装材の把握が難しい理由について、(1)商品構成が多種多様で歴史も極めて長い、(2)外観ではなく屋内が研究対象のため、生活で使用している建物もあり調査に困難が伴う、(3)家具や美術工芸品とは違って改修・改装時に廃棄されてしまうため、古い時代のものがほとんど残っていない、という3点を挙げている。そのため本田代表は、30年間にわたって資料を収集し、30カ国以上の国を訪ね建造物の調査を実施、写真を撮り溜めてきたという。写真には、現存する最古のパジリク絨毯や最古の壁紙ケンブリッジ・フラグメント、最古のアメンヘテプ2世のタペストリー、最古の五予言者像のステンドグラスなども掲載されている。またカーテンやカーペット誕生の背景と歴史も興味深い。

本田代表は、「インテリアの歴史とは、表層的なデザインの話ではない。ギリシャ・ローマやロマネスク、ゴシック、ロココ、アールヌーボーなど、さまざまなインテリアの歴史は、その時代、その社会における必然性から誕生している。本書は単なる時系列的な記述に留まるのではなく、気候風土や歴史、経済、社会、人々の暮らしを丹念に分析しながら、インテリアの各様式が誕生した背景を論考することに主眼を置いた」と述べている。
またコンプライアンス重視の観点から、掲載した460点の写真は、必要なものすべて版権元の了解を取り、参考文献と一緒にクレジット一覧を巻末に載せている。545ページ、オールカラー。写真&図版460点収録。価格は2940円(消費税込み)。なお現在予約受付中となっている。

■「インテリアの歴史」目次
第1部 西洋編
第1章:インテリアの曙 古代四大文明 
第2章:ギリシャ・ローマ時代の室内装飾 
第3章:ビザンツとイスラム
第4章:中世の室内装飾
第5章:近世のインテリア
第6章:現代のインテリア

第2部 日本編
第7章:古代の室内装飾
第8章:中世の室礼(鎌倉時代〜江戸時代)
第9章:近代日本のインテリア(明治時代〜現代)