傾斜がきついところはロープを使って登ることも!

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空前のランニングブームが訪れたのは昨年のこと。皇居ランナーは相変わらず多く、各地のマラソン大会は参加者が抽選になるほど、未だにランニングブームは衰えない。そんな中、この秋一風変わったマラソン大会が開催されるのはご存知だろうか。普通のマラソン大会では物足りなくなってるランナーには朗報(?)かもしれない。

第5戦が行なわれる『リステルスキーファンタジア』

それが、10月8日から半年間、福島県の磐梯高原6会場で8大会にわたって行われる『GAMBARUZO!ふくしまゲレンデ逆走マラソン』だ。マラソンの舞台として使用されるのは、なんとゲレンデ。しかも大会名通り下から上へと『逆走』するという。

震災の影響により数々の風評被害を受けている福島。観光名所にも人が訪れず、経済状況は悪化し続けている。この逆境を打破するという意味合いも込められて、『逆走マラソン』は開催される。

そんな『風評被害ぶっ飛ばせ!』と気合十分なこのマラソン大会主催者に話を聞いてみた。

Q:大会主旨をお聞かせください。

A:ゲレンデを下から上に登ると言うシンプルでユニークな企画を通じて、全国に、世界に、福島の安全を訴え、安心して遊びに来てもらえるように、変わらぬ福島・元気な福島をピーアールすることが目的です。

Q:5kmコース、10kmのコースを逆走とかなり大変そうですが、完走率はどのくらいなのでしょうか。

A:6月5日に「逆走マラソン」を初めて開催しましたが、参加者全員完走されました。

Q:ゲレンデの傾斜はどのくらいですか?

A:6スキー場が参加しますので、それぞれ特徴が異なります。コースで一番きつい部分は、約30度から37度くらい。通常のマラソンではあり得ないことですが、大変きついコースにはロープが垂らされます。(ちなみに富士登山道の傾斜は平均して12〜13度と言うからかなりの傾斜だ!)

Q:この大会を開催するにあたり、主催者側の意気込みをお聞かせください。

A:地震、津波、原発問題と三重苦にある「ふくしま」。この原発問題による風評被害に苦しんでいるひとつに猪苗代・磐梯高原エリアがあります。ウインターシーズンに向け、まだまだ先の見えない状況の中、現実の福島をアピールすべく、磐梯高原6スキー場が立ち上がりました。この難関をアイデアと団結力で戦っていこうと思います。私たちも精一杯、参加される方々に楽しんで頂けるよう運営して参ります。泊まりがけで温泉や料理も楽しめるよう連戦もご用意しました。もちろん一戦のみの参加も大歓迎です。とにかく一度チャレンジしてみてください。このイベントに参加頂くこと、それ自体がかけがえのない支援です。来年6月まで続くレースを通じて、磐梯高原の多彩な温泉、名物料理、大自然に触れて頂けたら、これ以上嬉しいことはありません。ご参加、心よりお待ちしています。

10月8日、9日開催の申し込みは10月3日まで。今ならまだ駆け込みエントリーが可能だ。

通常よりも何倍も苦しいであろう逆走マラソン。それでも走りきった先には、きっと参加者にしか作れない『これからの福島』が待っていることだろう。秋風に吹かれながら、ゲレンデを逆走してみるのはいかがだろうか。