フランスのリーグ・アン第11節が10月30日に行なわれた。上位争いとなったブレスト対サンテティエンヌ戦では、ブレストが2―0で勝利、首位攻防戦のマルセイユ対レンヌの試合が大雨で延期となったため、2位に2差で暫定首位に立った。

 ブレストは昨シーズンをリーグ・ドゥ(2部)2位で終え、19年ぶりに1部に返り咲いたばかり。開幕前には誰も予想できなかった快進撃を遂げている。アレックス・デュポン監督(56)は試合後の記者会見で「めったにない瞬間。サッカーの仕事をしていて、首位に立つことや決勝を戦うことは毎年あることじゃない。こういうときはしっかり喜びをかみしめないと。あとはどうやってこの位置に長くとどまるかだ。そのためにはいっそうの努力が要求される」と語った。

 報道陣から「それは可能か?」と質問され、苦笑いしながら「もちろん可能だ!」と答えたデュポン監督。チームの快進撃の秘密については、「チーム・スピリットだ。誰ひとり欠けても達成できない。選手たちは全員で守り、全員で攻めている。あとは、彼らが昇格の勢いをそのまま残していることもある。しかしシーズンのこの時期に結果を出せているのは、たんなる偶然や運じゃない。彼らに才能があるということだ」と選手たちを持ち上げた。

 就任してから1年4ヶ月で次々と予想を上回る結果を出してきたデュポン監督に、ミッシェル・ギヨ会長が与えた称号は、名前が同じマンチェスター・ユナイテッドの名将の呼び名を借りて「サー・アレックス」。「彼は大げさなんだよ」と笑い飛ばしたデュポン監督だが、2000年に2部のグーニョンを率いてリーグ杯優勝を成し遂げ、その年のフランス最優秀監督に輝いたことは忘れられていないはずだ。2部のチームでリーグ杯を制したのはこのグーニョンが初で、その後も現れていない。格上の相手を倒すチームをまとめ上げるのが得意な監督なのかもしれない。