6日のキエーヴォ戦で勝利を収め、前半戦の王者に輝いたインテルだが、新たにFWマリオ・バロテッリの問題が浮上した。試合後にキエーヴォのファンに対して不満を述べた同選手に対し、リーグ側は「後半43分に交代する際、観客に対して繰り返し挑発的な拍手をした」ために、7000ユーロ(約93万円)の罰金処分を科すことを決定した。さらに、相手チームの選手に対する人種差別的コールがあったとして、インテルにも1万5000ユーロ(約200万円)の罰金処分が下されている。

バロテッリはキエーヴォ戦後、「ここへ来るたびに観客に嫌な思いをさせられる」と発言。キエーヴォのルカ・カンペデッリ会長はこれに対して次のように反論していた。

「バロテッリにヴェローナを侮辱することなどできない。ブーイングを受け入れられないプロフェッショナルなど間違っている。試合後にすべては終わるものだ。いずれにしても、バロテッリは人種差別的なブーイングなど受けていない。私が聞いた唯一のそういうブーイングは、我々の選手であるルシアーノに対するものだった。問題はバロテッリの肌の色ではなく、彼のピッチにおける姿勢にある。ブーイングされたからといって相手を侮辱することなどできない」

試合から一夜明けた7日、インテルのマッシモ・モラッティ会長は、バロテッリの発言は「とても個人的なキャラクターによるもの」だとコメント。「彼をとがめるのは行きすぎであり、この件についてコメントするのは困惑してしまう」と続けた。また、モラッティ会長はカンペデッリ会長の反論について、「試合のときはいろいろなことが言われる。今朝(7日)、彼とは連絡をとったが、お互いに何の恨みもないよ」と強調している。

一方、バロテッリはクラブの公式サイト上で、次のように自らの考えを話している。

「自分のことを中傷した人には謝らない。試合中やピッチから出るときに、(人種差別的な)ブーイングを受けることに、苦しんでいたから、オレは自分の意見を言った。そのことによって侮辱されたと感じた、まったく関係のなかった一部の観客には謝罪する」

「イタリアのほかのスタジアムと同じように、ヴェローナのスタジアムでも自分に対してそのブーイングをしてきた人たちのことだということを、はっきりとさせておくべきだった。そういう人たちには嫌気が差す。スポーツとして試合を楽しむのではなく、オレを侮辱することしか考えていないからだ。そういうスローガンや、ピッチ上で良く振る舞っても差別的なブーイングを聞くことに、もううんざりしているんだよ」

「こういうことは、オレにだけあることじゃない。キエーヴォのルシアーノに対する差別的ブーイングを聞いたときは、自分のサポーターたちを恥ずかしく思った。とても残念なことで、恥ずべきことだ。終わらせなければいけない」

ヴェローナのフラヴィオ・トージ市長はこのバロテッリの謝罪を受け、騒動に終止符を打っている。

「我々にとっては終わったことであり、バロテッリの謝罪を受け入れる。インテルが彼に、彼の言葉は街全体を侮辱したということを理解させたんだね。私は完全にバロテッリに同意している」

「イタリアのほぼスタジアムにいる愚か者たちによる、彼やほかの選手にに対する人種差別的コールを非難すべきという点については、完璧にバロテッリと一致しているよ。ただ、ヴェローナの街全体と、やってもいないことでキエーヴォの模範的なサポーターを非難することは、本当に矛盾していたんだ」