駅メロ音楽家 塩塚博

写真拡大

電車の出発時や接近時に10秒〜20秒流れる音楽が、鉄道ファンを中心に話題を集め、今や特定のCDが発売される程、ひとつのジャンルとして成り立ち初めている「駅メロ」。
首都圏の駅メロの作曲・編曲を行っており、昨年開業した副都心線の発車メロディや京急本線の列車接近メロディの制作など、多くの駅メロを担当されている塩塚 博さんに、今回は自身の音楽感について詳しくお伺いした。

—駅メロに携わる事になったきっかけは?

1993年の事ですが、作曲家となって以降、CMやラジオ番組のジングルなどを多く手がけていて、知り合いだった制作会社のディレクターが「塩塚さんは10秒程度のジングル的な音楽が得意だから」ということで駅メロの作曲を依頼されました。これがまさか15年にもわたって流れる事になるとは思いませんでしたね・・ あの時、ちゃんといい仕事をしておいて、本当によかったです。(笑)

—本当ですね。(笑)
   それでは、その作曲や編曲の際にこだわっている事は?


まず、僕の作曲する駅メロは僕の大好きなクラシック音楽、ジャズ・フュージョン系の音楽のニュアンスが色濃いです。
クラシック的な作品を作る時はモーツァルトやバッハになりきって作曲しています。そして、編曲の技法としては、対位法という、主旋律と対旋律が有機的に絡み合い、あたかも”やすきよ”のかけあい漫才のような構成を心掛けています。対旋律(伴奏)だけを聴いても音楽としてキレイで充分歌っている。これが僕の作品の真髄ですね。音の連なりがなめらかで気持ちよく、旋律+和音伴奏といった単純な構成よりもよりイキイキとして訴求力の強い音楽になっていると思います。

—子供の頃から、クラッシックが好きだったんですか?

はい。母親のお腹の中にいる頃も聴かせていてくれたらしいんですけど、幼少時代から父親と一緒にクラッシック音楽をよく聴いていました。それが、音楽家としての土台になっている事は間違いないと思います。でも、中学生の頃からスパイダースを皮切りにビートルズやストーンズなどの70年代のロックやソウルにどっぷりハマり、プロのギタリストを目指すようになったんです。なので、僕の憧れであり、心の師匠はモーツアルトよりもスパイダースの大野克夫さん、井上堯之さん、そしてムッシュことかまやつひろしさんです。

—今後の展望は?

まず、駅メロのマスターとしてもっともっといい仕事をしたいし、さらに認知されたいです。その他、歌ものの作曲やCM・テレビなどの音楽制作も並行してしっかりやっていき、僕名義のアルバムも近いうちにぜひ出したいですね。それと、初めは作曲家ではなくプレイヤーとしての音楽家を夢見ていましたので、ギタリストとしてもまだまだ進化して、成功したいです!

年齢は既に大御所と言われる年になってしまったが、まだまだ若手のつもりで常に自分をアップデートしていきたい。と話す塩塚さん。今後の展望を聞いて解る通り、駅メロはもちろん、その他の活動も楽しみだ。

塩塚博 オフィシャルブログ
「駅のみゅーじしゃん」
http://pub.ne.jp/shioshio/

(Written by 沢岡ヒロキ)

【Nicheee!編集部のイチオシ記事】
「九州B-1グランプリ」初代グランプリ決定!
ワインだけじゃない!秋は芋焼酎もヌーヴォー!
下町のアイドル!大人気の人力車猫・ミーちゃん
「ハンサムらーめん」 ハンサムの真相に迫る
ウェディングケーキはもう伸びないのか