カレー戦争勃発 躍進する「ゴーゴーカレー」は「ココイチ」を超えるか

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 金沢カレーブームの火付け役「ゴーゴーカレー」が首都圏で出店攻勢を仕掛けている。業界で圧倒的な地位を築く「CoCo壱番屋」の壁を打ち破ることができるか。

 サラリーマンや学生のランチの定番のひとつがカレー。嫌いな人を探すのが難しいほど万人に愛されている人気メニューだ。家で作ったカレーも美味しいが、ここ数年、繁華街や駅前に多くのカレーショップが開店している。種類も本格的なインドカレーから欧風カレー、おなじみの日本のカレーライスなど幅が広い。

 ただし不思議なのがチェーン展開を行っている店が少ないことだ。東京を中心に「トーキョールー」(7店舗)や「カレーの王様」(11店舗)、SPICE(6店舗)などの新興勢力がチェーン展開し、しのぎを削っているものの、ラーメンや牛丼業界と比べると全体的に小規模におさまっている。

 そのようなカレー業界でこれまで圧倒的な勢いでチェーン展開を押し進めてきたのが「CoCo壱番屋」だ。ユーザーから「ココイチ」の略称で親しまれる同チェーンは、1978年に名古屋市郊外に1号店を開店して以来、国内1,177店、海外30店の計1,207店舗と断トツの規模を誇る(09年9月末現在) 。

 店舗売上高も店舗数の増加と比例し、年々伸びており09年5月期は685億円に達している。この数字は「モスバーガー」を展開するモスフードサービスの売上606億円、牛丼の松屋フーズの624億円を上回っており、外食産業全体でも見ても上位に顔を出す規模に成長している。

 カレー業界でたしかな地位を築いたCoCo壱番屋だが、今、新興勢力から一歩抜け出し、同チェーンを脅かす存在とまで言われるチェーン店が出現した。それが「ゴーゴーカレー」だ。

「ゴーゴーカレー」はゴーゴーシステム(金沢市)が運営する、黒いルーで独特の風味を持つ金沢カレーを売りにしたチェーン店。地元の石川県と東京を中心に30店舗以上を展開している。金沢カレーブームの火付け役として、近年テレビや雑誌などでもたびたび取り上げられたこともあり、お昼時には新宿店や渋谷店で行列ができ、「行列のできるチェーン」として存在感を高めている。金沢カレーの特徴でもある「濃厚なルー」や注文を受けてから揚げる「ソースのかかったカツカレー」が忘れられずリピーターになるユーザーも多い。

 またどちらかというとスタンダードなカレーを提供するCoCo壱番屋に比べて、ゴーゴーカレーは味が独特な上に販促キャンペーンも派手だ。昨年末に秋葉原に出店した際には、先着555名に一杯55円でカレーを提供するというオープニングキャンペーンを催し、300人程の大行列を作った。また社長がファンで同じ石川出身のメジャーリーガー・松井秀喜選手がホームランを打った翌日や、毎月「5」の付く日は「ゴーゴーデー」と称し、トッピング無料券を配っている。こうしたキャンペーンもリピーター作りに一役買っている。

 だが熱心なファンを持ち人気が高まる一方で、店舗の立地がおもわしくないのかすでに閉店する店が出ていたり、早々に米国やシンガポールなどに海外進出するなど「勢い先行」の感が否めないのも事実。フランチャイズ運営のノウハウが蓄積し、経営が安定すれば、CoCo壱番屋の真のライバルとなりそうだ。

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小野 健志(編集部)[著]

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