米大リーグ、ニューヨーク・ヤンキースの本拠地として、約16億ドル(約1570億円)の費用をかけて建設された新ヤンキースタジアム。初の公式戦となった4月16日のクリーブランド・インディアンス戦は、7年1億6100万ドル(約157億円)で獲得したCC・サバシア投手が先発したものの、相手打線に打ち込まれて2-10の大敗を喫した。さらにインディアンスとの4連戦では、本塁打が計20本も飛び出す大味な試合が続いたことも話題になっている。この本塁打量産に新球場の構造が関与していることを、米民間気象会社AccuWeatherが発表した。

これまでに新ヤンキースタジアムで放たれた本塁打20本のうち、14本が右翼方向へ飛んでいる。中でも注目されたのは、4月19日の試合でヤンキースのホルヘ・ポサダ捕手が七回に放った本塁打だ。打たれたインディアンスのジェンセン・ルイス投手は「いつもの簡単な飛球だと思った」(スポーツサイト「FANHOUSE」より)と感じたようだが、打球はみるみるとフェンスへ近づき、右翼を守っていたトレバー・クロウ外野手と観客の手が交錯。審判が協議した結果、本塁打の判定となった。この本塁打について、ルイス投手は「気流に乗ったから」とし、他の球場ならアウトになるとも語っている。

AccuWeather社は、ヤンキースが22失点を喫し、両軍合わせて8本の本塁打が生まれた4月18日の試合を例に、風がボールに与えた影響について分析した。それによると、新球場は観客席の緩やかな傾斜が影響し、三塁側からの西風が吹いた時に、右翼席で気流が上昇するという。同日の試合では、風速15〜20メートルの西風が観測されており、同社はこれが大きく影響したのではないかと推測している。

打者寄りでも投手寄りでもないニュートラルな球場として知られた旧ヤンキースタジアムの場合、観客席が高い位置にまであったため、西風が吹いても左翼方向から右回りに風が沈みこんでいた。新球場では西風が吹くと右翼方向への打球は滞空時間が長くなり、遠くまで運ばれる。この西風は春から秋にかけて吹くため、シーズン中は大いに影響を受けそうだ。ただ、夏の穏やかな気候の場合は、本塁打は少なくなることが予想されている。使用開始から早くも選手たちに「飛びやすい」と評判の新ヤンキースタジアム。リーグ戦の半分を戦える本拠地が「打者天国」の球場ならば、重量打線を揃えるヤンキースにとっては喜ばしいことのはず。しかし、サバシア投手や王建民投手ら投手陣がピリッとせず、新球場の特性が逆にアダとなっている。主砲アレックス・ロドリゲス内野手の復帰が間近と伝えられ、松井秀喜外野手が徐々に復調の兆しを見せるなど明るい話題も見えてきたが、長いリーグ戦で重量打線と新球場の特性がマッチするのか、目が離せないところだ。