NTTドコモ Windowsケータイ「F1100」

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NTTドコモは、これまで法人をメインに展開してきたWindowsケータイ(スマートフォン)のコンシューマ市場への参入を開始した。
Windowsケータイは、OSにWindows Mobileを採用し、高速な3Gデータ通信をサポートする高機能モバイル端末で、3G通信のほかにも無線LAN、Bluetoothなど多様な通信機能とPC互換のブラウザ、MS Officeや動画データなど、パソコンライクのインターネットとマルチメディアデータを扱える次世代ケータイだ。

海外などではスマートフォンは、高性能ケータイとして市場を形成しているが、日本ではウィルコムがPHS網を利用したW-ZWRO3シリーズを展開、次いでソフトバンクもHTC社製端末を中心にコンシューマ市場での展開を強化してきている。そんな中、法人向けサービス中心だったドコモがようやく個人市場へも参入した。

後発にみえるドコモだが、実は前述の2社よりも、Windows Mobileとの関係は長い。元々ドコモはWindows CE(Windows Mobileの前身)時代より、ハンドヘルド端末や手帳型端末などを個人市場に提供している。特にハンドヘルド機では、モバイルギアやシグマリオンシリーズなど人気の名シリーズを数多く排出しており、Windows Mobileについての潜在的に高いノウハウを有しているといってもよいだろう。
F1100 クローズ状態F1100 オープン状態


そのドコモが、ついにウィルコム、ソフトバンクのWindowsケータイ追撃に法人向けとともに個人向け市場も視野に入れて送り込んだのが富士通製端末のF1100だ。

今回はこのF1100をみてみよう。

■F1100本体
F1100は、高さ112mm×幅51mm×厚さ16.9mm、重さは約134gと、一見してiモードの通常ケータイと遜色のないサイズを実現している。
搭載OSは、Windows Mobile 6 Standardでありタッチパネル液晶対応版ではないことから、画面を直接タッチして操作することはできないが、一般のケータイになじんでいる人には、こちらの方がなじみやすいだろう。

小型化を実現している大きな要素は、キーボードを縦スライド式で内蔵している構造だ。これまでのスマートフォンでは、パソコン同じQWERTYキーボードを横スライド式や本体下部への配置で搭載することが主流だったことから、通常のケータイより若干大きめになることが多かった上、キーボードを利用する際に端末を持ちかえなければならなかった。F1100では、搭載キーボードをケータと同じダイヤルキーを採用することで、片手でキーボードの開閉と文字入力、ダイヤル発信が可能となっている。
スライドを閉じたF1100スライドを開いたF1100


F1100左からF1100右から


■キーボード部はスライド式
F1100の操作キーをみてみよう。スライドキーボードを閉じた状態では、Windows Mobileの操作キーが配置されている。

中央にマルチカーソルキーがあり、上部はアプリケーションの割り当てられてるワンタッチキーが4つ用意されている。十字キーの左右にはソフトキー、その下は左にホームキー、右にメール・ブラウザキー、その下が左に発信、右に着信キーが備わっており、中段のキー配列は通常のスマートフォンと同じだ。ただ、マルチカーソルキーの下に大きめのバックキーが配置されており、画面タッチできない分の操作の戻しがしやすくなっている。

Windows Mobile 6 Standardは、画面からのダイレクト操作ができないことから、メニューや機能をキーを使って順送り・逆送りの操作が多くなるのだが、バックキーが使いやすくなっていることで操作性を向上させている。

内蔵されているダイヤルキーは、ケータイユーザーにはなじみのあるダイヤルキーだ。
スライドの開閉もがたつきもなく片手でも確実でスムーズな開閉ができる。
スライド式のキーボード内蔵キーボードはダイヤルキー


■背面
背面をみてみよう。
F1100の背面は、前面の光沢仕上げとは異なりつや消しでモールドが刻まれており、手のひらでのホールドを確実にする配慮がされている。

背面には上部にFOMAアンテナが内蔵されており、背面表面には、カメラ、マクロ切り替え、カメラライト、スピーカー、指紋センサーが搭載されている。
前面とは質感が異なる背面背面上部にはカメラと指紋センサー