ルクセンブルク、日本、フランス、イタリアによる4ヶ国共同製作『AMA(仮題)』で本格初共演する(左から)尾野真千子、藤野涼子

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 俳優の藤野涼子と尾野真千子が共演する映画『AMA(仮題)』の製作が決定した。ルクセンブルク、日本、フランス、イタリアによる4ヶ国共同製作で、全編を日本で撮影。1960年代の石川県・舳倉島(へぐらじま)を舞台に、海女文化と世代を超えてつながる女性たちの物語を描く。2027年の全国公開を目指し、8月30日にクランクインした。

【画像】藤野涼子、尾野真千子のソロカット&原作書影

 藤野と尾野はこれまで、『ソロモンの偽証』と『影踏み』で、同一人物の過去と現在をそれぞれ演じてきた。劇中で直接言葉を交わすことはなかったが、本作では、世代を超えて心を通わせる叔母と姪として本格初共演を果たす。解禁された写真には、撮影の合間に笑顔を見せる2人の姿や、それぞれ真剣なまなざしで役と向き合う様子が収められている。

 外務省主催「第15回日本国際漫画賞」に入賞した、フランク・マンガン作、セシル・ベック画によるフランス発のグラフィックノベル『Ama:Le souffle des femmes』が原作。川端康成の『雪国』に感銘を受けたフランス人作家が描いた作品が、日本オールロケで実写映画化される。

 主人公は、都会での暮らしや周囲になじめず、居場所を見失っていた20代の女性・平野渚。祖父の死をきっかけに、母親が生まれ育った舳倉島へ向かった渚は、厳しくも豊かな海とともに生きる叔母・舟冨梢ら、たくましく誇り高い海女たちと出会う。

 時代の変化とともに失われつつある海女の文化や島の人々の温かさに触れる中で、渚は母親の秘められた過去を知り、自らが進むべき道を模索していく物語だ。

 葛藤を抱えながら新たな一歩を踏み出す渚を演じるのは、『ソロモンの偽証』で映画デビューし、大河ドラマ『青天を衝け』や舞台『成瀬は天下を取りにいく』などに出演してきた藤野。本作が初めて参加する国際共同製作映画となる。

 異なる言語を話す海外スタッフが集まった現場について藤野は、「言葉が通じなくても、一つの作品を作るという思いを共有することで、みんなのエネルギーが一つに集まり、よりパワフルになっていく感覚があります」とコメント。「スタッフ、キャストみんなで力を合わせて、素晴らしい作品を作っていきたいと思います」と意気込んだ。

 渚に海女としての生き方を教える叔母・梢役を務めるのは尾野。『萌の朱雀』(1997年)でデビューして以来、主演を務めたNHK連続テレビ小説『カーネーション』(2011年)や映画『茜色に焼かれる』(2021年)、Netflixシリーズ『阿修羅のごとく』(2025年)など、さまざまな作品、役柄で圧倒的な演技力を披露してきた。

 本作の脚本を読み、「海女という今失われつつある文化を、今後も残してほしい、後世に語り継いでほしいという、いろいろな思いがありました」と明かす。

 さらに「これはやらなければいけない、伝えていかなければいけないと思いました。私にとってこの作品は、ちょっとした使命という感覚です。自分も楽しみながら、いろいろ教えてもらい、この作品に挑みたいと思いました」と語っている。

 監督は、フランスを拠点に活動する河村勇樹。短編映画『閃光』でオーバーハウゼン国際短編映画祭のエキュメニック賞、『GRANDMOTHER』でシネマ・ドゥ・レエル短編部門最優秀賞、長編ドキュメンタリー『NORIE』でヴィジョン・ドゥ・レエル長編部門特別賞を受賞してきた。本作が初の長編実写作品となる。

 河村監督は、原作を通して初めて舳倉島の海女を知ったといい、「海とともに生きる女性たちの強さ、そして互いを支え合う女性共同体の連帯。その姿を主人公・渚の視点を通して、どのように描いていくのか」と作品の主題に言及。「海女たちの息遣いや島の匂い、海での漁の緊張感まで、リアルにスクリーンに立ち上げることが大切だと感じています」と話している。

 撮影では、京都府京丹後市や舞鶴市に残る漁村の風景を生かし、1960年代の舳倉島を再現。輪島の海女漁保存振興会の全面協力を得て、輪島の海女たちが実際に潜る海での水中撮影も予定している。

 プロデューサーのジル・シャニアル氏は「フランスのグラフィックノベルから生まれたこの物語が、日本でついに映画として動き出すことをとてもうれしく思っています。日本の物語にほんの少しの“フレンチ・タッチ”を添えながら、海女たちが受け継いできた文化や精神、そして彼女たちの物語を、いま大きな変化の中にある世界へ届けられたらと願っています」と抱負を語る。

 プロデューサー小田寛子氏は「母と娘、姉妹、叔母と姪--さまざまな関係で結ばれた女性たちと、世代を超えて受け継がれていく思いや生き方を描く物語に惹かれ、この作品への参加を決めました」と説明。「世界各国から集まったクルーの感性が加わることで、どのような化学反応が生まれるのか、とても楽しみにしています」と期待を寄せている。

■藤野涼子(平野渚役)のコメント
 本作は日本と海外との合作ということで、言語もそれぞれに異なる海外クルーが集まりました。
 ひとつのシーンに言語の壁を越えて全員が集中して取り組んでいる姿を見て、私も、この美しい海と景色が広がる中でこのチームと作品に向き合っていけるのかと思い、胸が高鳴りました。言葉が通じなくても、一つの作品を作るという思いを共有することで、みんなのエネルギーが一つに集まり、よりパワフルになっていく感覚があります。スタッフ、キャストみんなで力を合わせて、素晴らしい作品を作っていきたいと思います。

■尾野真千子(舟冨梢)のコメント
 海女という今失われつつある文化、今後残していってほしい、後世に語り継がれていってほしいといういろんな思いがあり、この台本を読んだときに、これはやらなければいけない、伝えていかなければいけないと思いました。
 その昔、こういうことをして私たちの生活は支えられていたと、いろんなことを伝えていかなければいけないなと感じた脚本でした。私にとってこの作品はちょっとした使命という感覚で、なおかつ自分も楽しみながら、いろいろ教えてもらいながらこの作品に挑みたいと思いました。

■河村勇樹監督のコメント
 原作『海女』を読んだとき、初めて舳倉島の海女たちのことを知りました。
 海とともに生きる女性たちの強さ、そして互いを支え合う女性共同体の連帯。その姿を、主人公・渚の視点を通してどのように描いていくのか。海女たちの息遣いや島の匂い、海での漁の緊張感まで、リアルにスクリーンに立ち上げることが、この映画をつくる上で大切だと感じています。素晴らしいキャスト、豊かな自然に囲まれたロケーション、そして国際色豊かなスタッフに恵まれ、これから撮影が始まります。
 この場所で、この人たちと、この物語がどのような映画になっていくのか。まだ見ぬ景色に出会えることを楽しみにしながら、一つひとつの瞬間を大切に撮影していきたいと思います。

■プロデューサー:ジル・シャニアルのコメント
 河村勇樹監督と私たちは、フランスのグラフィックノベルから生まれたこの物語が、日本でついに映画として動き出すことを、とてもうれしく思っています。共同製作会社である フラッグとFilm Fund Luxembourg、文化芸術活動基盤強化基金(Japan Creator Support Fund)をはじめ、多くの皆さまの力に支えられ、この作品を実現できることを心から光栄に思います。
 藤野涼子さん、尾野真千子さんをはじめ、経験豊かで才能あふれる日本のキャストの皆さんとこの作品を作れることを、私たちは大変うれしく思っています。
 日本の物語に、ほんの少しの「フレンチ・タッチ」を添えながら、海女たちが受け継いできた文化や精神、そして彼女たちの物語を、いま大きな変化の中にある世界へ届けられたらと願っています。

■プロデューサー:小田寛子のコメント
 母と娘、姉妹、叔母と姪--さまざまな関係で結ばれた女性たちと、世代を超えて受け継がれていく思いや生き方を描く物語に惹かれ、この作品への参加を決めました。
 各撮影地の皆さまをはじめ、本当に多くの方々に支えていただき、ようやく撮影開始を迎えられたことを感慨深く思います。
 準備を進める中で輪島の海女の皆さんに何度もお会いし、仕事への誇りと、気さくでユーモアにあふれたパワフルな人柄に、どんどん惹かれていきました。海女たちの魅力が、世代も個性も異なる素晴らしいキャストの皆さんを通してどのように表現され、藤野さん演じる渚の目にどう映るのか。そこに世界各国から集まったクルーの感性が加わることで、どのような化学反応が生まれるのか、とても楽しみにしています。