【災害級豪雨時の大阪水没マップ】大阪市は低平地だらけ、寝屋川、大和川、淀川が氾濫すれば市内の大半で浸水被害 住之江抽水所の排水ポンプ施設は機能不全で復旧に3年、広範囲に影響
全国で猛威を振るう豪雨災害。9月に入っても首都圏などで線状降水帯発生の予測が発出された。大都市を「1000年に一度の大雨」が襲う最悪シナリオとは──。
【詳細MAPを見る】北区、中央区…ほか、大阪の“水没”注意エリア
都市部は雨水が土壌に浸透せず、下水道の排水能力を超えて溢れる「内水氾濫」も起きやすい。MAPは注意すべき「浸水の深さ(赤~黄)」「浸水継続時間の長さ(紫色の線囲い)」を図示した。
「都市型水害の危険は人口集中や地下空間の利用、再生可能エネルギー利用などで高まる一方です」
大阪公立大学大学院准教授の中條壮大氏(防災工学)がこう憂慮するように、水害は大都市共通の脅威だ。
「東京などの下水道が1時間あたり50mmの雨を想定基準とするのに対し、大阪は60mmとより高い基準を設定してきた。しかし、近年の局地的な豪雨はそれらの想定を容易に上回ります」(中條氏、以下同)
三大都市圏に広がる0m地帯では、高低差による自然排水ができないこともネックとなる。
「場所によっては水が引くまで2週間以上も要し、地下鉄も運転再開まで何日もかかる可能性があります」
中條氏によれば大阪市はとくに低平地が多く、寝屋川、大和川、そして淀川が氾濫する危険が高い。そうなれば天王寺から大阪城周辺の台地を除いた、市内の大半の場所で浸水被害が予想される。
「2026年6月、台風7号による豪雨で住之江抽水所の排水ポンプ施設が水没し機能不全に陥っています。復旧に3年かかるとされますが、この場所は巨大治水施設『なにわ大放水路』から海に雨水を排水する出口であることから、その影響は生野区、阿倍野区、平野区、東住吉区、住吉区、住之江区など広範囲に及びます」
西日本の経済拠点である梅田や難波、新大阪など大阪市内中心部を含む広範囲の都市部を水害が襲ったならば、それは単なる浸水被害にとどまらず、都市機能の長期停止という最悪の事態が現実味を帯びてくるだろう。
取材・文/土屋秀太郎 マップ作成/タナカデザイン
※週刊ポスト2026年9月25日・10月2日号
