野田元総理「悔しく残念」中道・立憲・公明3党合流断念でも「中道勢力の結集諦めない」 小沢一郎氏は「立憲も中道も解散を」 分裂必至の中道「新たな形態」
中道改革連合、立憲民主党、公明党の3党は8月31日、党首会談を行い、合流を断念することを正式に決定した。結党から7カ月余り、中道は立憲出身議員と公明出身議員に分かれることが決定的となり、「新たな形態」の具体化を急いでいる。
野田元総理「中道勢力の結集諦めない」
2026年1月、当時、立憲の代表として中道の結党を主導し、その後、共同代表を務めたのが野田佳彦元総理大臣だ。
野田氏は8月31日、記者団からコメントを求められたが、「ノーコメント」と述べるにとどめていた。その野田氏は7日、自らのホームページにコメントを掲載した。
国政の動きや自らの考え方を記した「かわら版」の中で、「斉藤鉄夫さんと共に中道を立ち上げた私にとって、3党が合流に至らなかったことは誠に悔しく残念でならない」とした上で、「支援、期待をいただいた皆さまに、深く深くお詫び申し上げる」と陳謝した。
中道の結党については、「物価高で苦しむ生活者の姿に真摯に寄り添い、欧米発の右傾化と分断の波にストップをかけようという挑戦だった」としつつ、2月の衆院選で「大変厳しい結果となった。この敗北こそが合流を阻んだ最大の理由」と分析。
一方で、「中道は比例では1043万8801票を獲得し、自民比例票の約半分に迫った。この国民の負託に応える大きな責任がある。合流を果たせなかったとはいえ、責任放棄することはできない」と強調し、次のような見方を示した。
「自民・維新の連立政権が着々と右巻きの政策を進めていこうとしている。小さな違和感が集積されつつあり、やがて大きな疑念へと変わっていく可能性がある。その時こそ、中道の大きな塊を作る試みは、これからの時代の要請になるはずだ」
中道の小川代表は「仲間が再起動していくための『新たな形態』を見いだしたい」と表明しているが、「新たな形態」の具体的な姿を明らかにしていない。野田氏は、秋の臨時国会は消費税減税法案、衆院議員の定数削減法案などが議題となると指摘し、「これらの政治課題に対して迅速かつ丁寧な対応を行うためには、公明出身議員と立憲出身議員による衆院における『統一会派』実現も、『新たな形態』として検討されることになる」とした上で、「私は中道勢力の結集を決して諦めない」と自らの決意を強調した。
小沢一郎氏「立憲も中道も解散を」
あくまでも中道勢力の結集を目指す野田氏だが、党内には“異論”もある。衆院選で落選した小沢一郎元衆院議員は5日、YouTubeに動画を投稿した。
小沢氏は衆院選から2週間余り経った2月24日、自身も含め多くの立憲出身者が落選した選挙を振り返り、「何をしたい政党なのか分からない。分からないのでは投票する人はいない」と述べ、野田氏ら旧執行部を批判した。
その後も5月には、自らのグループ「一清会」の新たな拠点として東京都内に開設した事務所を記者団に披露した後、取材に応じて、中道は政権交代の受け皿に「なりえない。それだけは明白だ。だから深刻だ」と述べている。
今回の動画で、小沢氏は3党の合流断念について「当然の帰結だ」として、次のように主張した。
「立憲も、このままでは国民の信頼を得られない、選挙に勝てないということで中道を作った。国民の厳しい審判、判断をよく考えて、立憲も中道も解党的な出直しをしないと国民から相手にされない。第一歩は立憲も中道も解散することだ。そこから始める以外にない」
そして、「公明党は全く違う異質の政党だから、解散しろと言っても解散しないだろうが、少なくとも立憲、旧立憲の我々は一旦、完全に武装を解いて、新たな将来を見つめた中で、次の展開を考えるべきだ」と強調した。さらに、次のように述べ、新党結成に向けた意欲も示した。
「国民に受け入れられるような新党、集団を作りたいという思いで、今色々な人と話し合いをしている。最後のご奉公と思って頑張る」
小川代表「プランBの検討進めている」
8月31日、先述の3党の党首会談に先立ち、小川代表ら執行部は衆院選落選者とのオンライン会議を報道陣に非公開で開催した。
関係者によると、会合の中で、階猛幹事長が党の見解を提示。読み上げられた文書には、「中道勢力の拡大と政権交代に向け、我が党に集った仲間が再起動するための新たな形態を見いだしていく」とした上で、「中道勢力結集の軸を維持するため、衆院における会派を統一化することを目指す」などと記されていた。
会合の中で小川氏は「新たな形態を目指す」としつつ、「具体的にいかなるものか、現状明らかに示せる状況にはない」と述べた。
一方、今回の衆院選で落選した本庄知史前共同政調会長は「ちょっと論理の飛躍を感じる」として、次のように指摘した。
「合流がかなわなかったから、なぜ1千万人に中道と書いてもらった政党が新たな形態を目指さなければいけないのかという説明がなかった。今後、新たな形態を決めていく過程では、そこをもっとクリアにしないと、新たな形態なるものはまた国民から支持されないものになると思う」
これに対し、小川氏は「今の状態を続けることだけで展望があるかと言われれば、非常に状況は単純ではない。総合的に判断しなければならない。変わらない目標を達成するために、いかなる形態が新たに考えうるのかという立場に立って今後議論していく」などと説明した。
また、別の落選者は「(公明出身議員の)28人、(立憲出身議員の)21人が、これ以上ばらけないでほしい」と求めた上で、次のようにただした。
「立憲出身者は立憲出身者、公明出身者は公明出身者として新しい体制に移行していく。統一会派を目指すということなので、それぞれの党に分党していくという理解をした」
これに対し、小川氏は「現状、否定も肯定もできないことはお許しをいただきたい」などと応じた。
中道幹部の1人は「党内は本当に雰囲気がよい。分かれたいと思っている人はほとんどいないのではないか」とした上で、次のように胸の内を漏らした。
「中道の勢力を増やすためには今後どうすればよいかを考えていくだけだ。プランAがうまくいかなかったのでプランBに移るだけだ。中道の旗をおろすつもりはない」
小川氏は4日の記者会見で、「プランBについて鋭意、検討を進めているところだ。可及的速やかに一定の結論に至れるよう全力を尽くしたい」とした上で、次のように強調した。
「立憲系議員21人の様々な意見等を伺いながら、方向性を定めようと努力している。できるだけまとまって行動していくことが大事だという思いでいる」
小川氏ら執行部が検討を進める「プランB」がどのようなものになるのか、それが今後、野党の結集につながっていくのか。まずは立憲出身者がまとまって行動できるかがその試金石となる。
(フジテレビ政治部デスク 木村大久)

