“コメ余り”過去最大…政府が備蓄米買い戻し決定 新米シーズンで価格どうなる?
深刻な“コメ余り”が続くなか、政府は去年産のコメを備蓄米として買い戻すことを正式に決めました。間もなく迎える新米のシーズン。しかし、いま買い戻しをしたとしても価格の下落が抑えられないと懸念の声がでています。
■ご飯食べ放題の店では…

たきたて、ほっかほか、食べ放題のご飯のパートナーはお好みで、豚の角煮に、シャケ、いくらなど、てっぱんのお供といただけば…
客
「やばい、角煮止まんない。止まんないです。相性ばっちりです」
「もう(ご飯)ないですね。そろそろおかわりいこうかな。止まんないから」
土鍋ご飯いくしか・加藤雄大店長
「福島県産のコメを使用しています。30キロ、毎日なので、1か月で約1トン消費している」
オープン以来、ご飯おかわり無料を続けているこちらの店の1日あたりのコメの仕入れ値は、去年高騰していた時と比べて、いまは3500円ほど安くなっていて、今後、さらに2000~3000円安くなる見込みだといいます。
土鍋ご飯いくしか・加藤雄大店長
「販売価格は変えずにやっているので、なんとかやってきました。(コメ)価格が下がってくれるとすごく助かる」
■スーパーには新米が並び始める

スーパーに並び始めた新米も…
(news every.取材班)
「5キロで2430円です。かなり安いですね」
客(70代)
「ありえない。5キロでこれだよ? ありえない。おコメがおいしいと、おかずそんなにいらないよ」
■「去年産のコメが、売れ残ってしまう」

思わず手に取りたくなる新米の価格。ただ、これに店側は頭を悩ませています。
スーパーセルシオ和田町店・久保田浩二さん
「どうしても多少高く感じてしまう去年産のコメが、日がたっても売れ残ってしまう」
◇

同じ銘柄の去年産と新米の値段を比べると、その差は1000円ほどあります。
新米が安くなっている理由の1つが、去年産のコメ余りです。
スーパーセルシオ和田町店・久保田浩二さん
「市場にコメがあふれてしまって、今年はそうならないように(新米を)安値で買い上げして、いま市場に流れている」
■“過去最大規模のコメ余り”状態

日本はいま、“過去最大規模のコメ余り”状態です。
去年、急激な値上がりを受け、備蓄米の放出が行われたことなどから、去年のコメが消費しきれないまま、新米の収穫が始まる事態になりました。
民間で抱えるコメの在庫量は、過去最大の243万トンにのぼっていて、適正水準と比べると、少なくとも40万トン以上余っている状態です。
さらに、来年には最大で280万トンほどにのぼるとの見通しも示されています。
■政府、去年産のコメを買い戻すと発表

そこで政府は、余っている去年産のコメを備蓄米として買い戻すと発表しました。
放出した59万トン分のうち、まずは21万トン分を買い戻すとしています。
■“新米が安くて去年産は高くは売れない”

今後、買い戻しの対象になるなら手を上げたいというコメ農家兼卸売業者の倉庫には、去年産のコメが50トンほど積み上がっています。
米のたけやま・伊藤享兆代表
「(去年産は5キロ)だいたい4200円程度で販売しないといけない。今年の新米が安くて(去年産は)高くは売れない状況。売りにくい状況。買い上げていただくことができたら、すごくありがたい。生産者の立場からしても、あまりにもコメが安くなりすぎないようなストッパーになればいいなと思っています」
■販売価格予想“今後も緩やかに下がる傾向”

政府の買い戻しで、コメの価格はどうなるのか。専門家は…
ニッセイ基礎研究所・小前田大介さん
「(Q.買い戻しでコメ価格は?)今回の21万トン程度(の買い戻し)であれば、下落傾向は続くと考える。10月~11月にかけて2800円前後で平均としては調整するのではないかと思っている。コストを抑えているコメは、2500円を切るような水準で出てくると思います」
販売価格は、今後も緩やかに下がる傾向だと予想します。
コメの適正価格については、生産者への支援のほか、私たち消費者が、生産コストを知ることが必要だと指摘しています。