《高市首相と日本会議》安倍元首相の死で影響力が低下した日本会議、総裁選では高市氏をバックアップ 高市氏は皇室典範の早期改正で恩返し…“共依存”とも言える関係に
高市政権の支持率急落の原因とも言われているのが、旧宮家養子案の皇室典範改正だ。その政策を強力に後押ししているのが、保守系団体「日本会議」だ。高市首相と日本会議はどのようにして関係を深めていったのか。【第2回】
自民党総裁選では高市氏の強力な応援団に
高市首相と日本会議の繋がりは深い。
首相は日本会議を応援する超党派の議員連盟「日本会議国会議員懇談会」の副会長を経験し、現在の議連会長は自民党総裁選で高市氏の推薦人代表や選対本部長を務めた側近の古屋圭司・衆院憲法審査会会長だ。
自民党総裁選でも日本会議は高市氏の強力な応援団となった。
高市氏が初めて出馬した2021年総裁選に敗れた後、日本会議人脈が地元の奈良や北海道、大阪などに高市氏を応援する政治団体「早志会」を設立していく。
石破茂・前首相と1位を争った2024年9月の総裁選で、高市氏がいち早く「出馬」を打ち明けたのは同年6月に開かれた日本会議地方議員連盟のメンバーなど約10人との会合だったとされる。
地元の奈良では「早志会」を足がかりに、日本会議奈良県本部のメンバーたちが「高市早苗議員を内閣総理大臣にする奈良の会」(以下、「奈良の会」)を設立したという。
奈良の会会員が語る。
「『奈良の会』は実質的に日本会議奈良県本部のメンバーがつくったんです。2023年4月の設立総会は日本会議奈良地方議員連盟に所属する橿原市議や高取町議が中心になって開き、初代事務局長は日本会議の支部長の1人で『奈良早志会』の会計責任者です。高市さんが首相になった後、奈良の会は『高市早苗総理大臣を熱烈に応援する奈良の会』と改称して今年4月には正式に政治団体として登録した。その際、事務局長を引き継いだ森本勝也氏は現在、日本会議奈良県本部トップの会長になっている」
政治ジャーナリストの宮崎信行氏はこう見る。
「日本会議は全国に組織を持ち、地方議員のメンバーも多い。総裁選で日本会議は高市氏を強くバックアップし、党員票集めなどで応援した。高市氏が最初の出馬から党員票を多く獲得できたのも日本会議人脈の応援があったからでしょう。高市氏は恩には報いる政治家だから、総理になると皇室典範改正など日本会議が力を入れる政策を実行していった」
一方の日本会議も、前述のように安倍元首相の死後影響力が低下しており、高市政権で勢いを取り戻したいという事情があった。
「日本会議の女性組織が昨年3月に福岡で『遠賀のさくらカフェ』という選択的夫婦別姓の勉強会を開いた時、参加者はわずか7人だったと報告されています。安倍さんというシンボルを失って、岩盤保守は求心力を失い、政治的影響力は弱くなっている。それだけに、日本会議は高市首相を新たなシンボルにして国民運動を再び盛り上げ、組織を立て直したいのでしょう。
支持率が急落している高市首相にすれば日本会議との関係を強化して岩盤保守からの支持を強めたい。日本会議は提唱してきた政策を高市首相に実行してもらうことで勢力を回復したい。共依存とも言えるような関係になっている」(宮崎氏)
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※週刊ポスト2026年8月28日・9月4日号
