「黙ってひな壇にはいられない」 「小渕優子」の「消費減税反対」宣言で試される「アンチ高市の覚悟」
野党を巻きこめず
食料品の消費税率が2027年4月から2年間、1%に引き下げられる可能性が高まっている。これまで、消費税は増税されることはあっても減税されることはなかっただけに壮大な社会実験とも称されている。高市早苗首相の判断に異を唱える自民党所属議員は複数おり、中でも党税制調査会の非公式幹部会合(インナー)のメンバーを辞任した小渕優子元選対委員長の動きに注目が集まっている。
【写真を見る】髪が長いと別人のよう… 「26歳」小渕優子氏の“初々しい笑顔”
今年1月の衆院解散で高市氏は食料品の消費減税を「悲願」と訴えた。野党が軒並み減税を主張する中でそれと横並びの主張をして野党のメリットを消す作戦だった。

衆院選で歴史的大勝を果たした後も、「検討した結果、実現には至らない」などと見られていたが……。
「社会保障国民会議で野党を巻きこんでの議論に発展させるつもりがうまく行きませんでした」
と、政治部デスク。
財務省のこだわり
「米・イスラエルによるイラン攻撃を受け、インフレ懸念が増幅して野党側で減税論が吹き飛びました。もちろん野党としては与党の動きをけん制する都合の良い理由ができたというところだったのかもしれませんが。自民党内でも反対派は多かったのですが、高市氏は“公約だから”と一蹴しました。発足以来高いレベルをキープしてきた内閣支持率が徐々に下がりつつある中で党内の反対論に押されて公約を守れないことの方が支持率に影響すると考えたのでしょう」(同)
結果として、消費税を2年にわたって1%に引き下げることが閣議決定され、あわせて中低所得層に対して1%相当の給付を行って消費税を実質ゼロ%とする方針が固まった。
「財務省はもちろん減税そのものに抵抗していましたが、それが難しいとなるとゼロにせず1%でも消費税の存在を残すことにこだわりを見せるようになりました。ゼロになると消費税そのものが忘れられ、2年後に戻すことが難しくなるとの判断があったとされています」(同)
小渕氏の背後には
自民の中で「アンチ高市」の動きの象徴としてとらえられたのが、小渕優子元選対委員長のインナーのメンバー辞任だった。小渕氏は「1%は飲みこめなかった。黙って“ひな壇”(インナーの幹部席)に並んでいることができなかった」「私が知っている税調の進め方ではない」などと述べ、反高市の姿勢を鮮明にした。
「小渕氏の背後には麻生太郎副総裁がいます。単独行動ではないですね。麻生氏はこれまで財務省の代弁者として一貫した動きを続けてきました。高市氏はそんな麻生氏に事前に仁義を切り、消費税減税に理解を求めました。最終的には“総裁がそう(減税がベターだと)お考えなら従います”と言って表向きは高市氏に恭順の意を示したようですが、内心ではまったく違うはずです」(同)
それもあって、高市氏は小渕氏の動きに警戒心を強めているという。
「ここまで反旗をひるがえしたとなると干されることは自明で、アンチ高市のよりどころとなることを狙っていると思われても仕方ないでしょう」(同)
十字架を背負ったまま
小渕氏は2014年9月に経産相に就任。女性初の首相への階段を順調に上りつつあった。そんな中、週刊新潮が政治資金規正法違反の疑いがある事案について報道。大臣辞任に追い込まれた。
「不祥事を受けて大臣や議員を辞職後、その後の選挙で当選すればみそぎは済んだということになるのが永田町では通例ですが、小渕氏の場合はなかなかそうも行かず、今もなお10年以上前の報道の十字架を背負っている印象です。参院のドンと呼ばれた故青木幹雄元官房長官は小渕氏にとにかく目をかけて育成をしていたわけですが。小渕氏に問われているのは“どれくらい覚悟があるのか”というところでしょう。自身の行動はアンチ高市に受け皿になることは間違いありませんから、それを正面から引き受ける覚悟があるのかということですね」(同)
小渕氏は当選10回の52歳。永田町では首相の有資格者とされている。今回の行動は覚悟のあらわれなのだろうか。
デイリー新潮編集部
