ホンダ斬新「“SUV”軽トラ」がスゴイ!

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ホンダ斬新「“SUV”軽トラ」がスゴイ!

 仕事の相棒として泥にまみれて働く「軽トラック」を、休日のレジャーでスタイリッシュに乗りこなせたらどれほど便利だろうか――。

 そんな誰もが一度は思い描くような夢のクルマを、ホンダは今から20年以上も前に、公式のモデルとして形にしていました。

【画像】超カッコイイ! これがホンダ斬新「“SUV”軽トラ」です!(16枚)

 それこそが、2002年の「東京モーターショー」に出品されたコンセプトカー「アクティ・スポーツ」です。

 アウトドアが一過性のブームを越えて完全に定着した現代にこそ市販化が望まれる、この先見の明に満ちた一台を紹介します。

 ベースとなったのは、長年にわたり日本の物流や農業を支えてきた軽商用車「アクティトラック(以下、アクティ)」です。

 アクティは軽トラックでありながら、エンジンを車体の中央に配置するミッドシップレイアウトを採用しており、元々バランスの良い走行性能で知られていました。

 この素性の良さに目をつけ、「アクティブホビー・アクティブビジネス」というテーマのもと、平日の運搬業務だけでなく週末の遊びにもフル活用できるライフスタイル・モビリティとして開発が進められたのです。

 アクティ・スポーツ最大のハイライトは、従来の軽トラックとは一線を画すスマートな外観と、遊びを本気で楽しむユーザーも唸らせる、驚異的な荷台のパッケージングです。

 通常は独立している荷台の囲い部分であるアオリを、キャビンと一体化させたシームレスなデザインに変更することで、乗用車のピックアップトラックのような洗練されたフォルムを生み出しました。

 荷台の内側には泥や水濡れに強い樹脂製のパネルが敷き詰められており、オフロードバイクやマリンスポーツの機材を気兼ねなく放り込めるよう配慮されています。

 さらにキャビンの上部には、夜間の作業や荷物の出し入れをサポートするルーフランプ付きの頑丈なパイプキャリアが装備され、サーフボードなどの長尺物も容易に積載することが可能。

 そして見逃せないのが、重量のあるレジャー道具を扱うための本格的なアシスト機能です。

 リアパネルの上部には、重い四輪バギーなどを荷台に引き上げるための電動ウインチが標準で組み込まれていました。

 また、両側面のアオリの内側には、バイクを積み下ろしする際に荷台から地面へと斜めに架けるラダーレールが巧妙に収納されており、使いたい時にすぐ取り出せるという驚きのギミックも。

 単なる見掛け倒しではなく、実際の使い勝手を極限まで計算し尽くした設計は、まさにホンダのエンジニアならではのこだわりと言えます。

 もちろんインテリアも、商用車特有のそっけない無機質さを完全に払拭しています。

 車内は明るく柔らかな印象を与えるペールベージュを基調としながら、視覚的なアクセントとして随所に鮮やかなオレンジ色が散りばめられ、乗るだけで気分が高揚するような心地よい空間に仕立てられていました。

 このように、遊びの荷物を積載するのみならず、現地で活躍する機能も採用することで、本来の意味での「SUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル/スポーツ用多目的車)」となったアクティ・スポーツ。

 残念ながらそのまま市販化されることはありませんでしたが、仕事と趣味の境界線をなくし、ひとつの移動空間で多様なライフスタイルを満喫するという考え方は、ホンダが現在ラインナップする商用車「N-VAN」など、実用的なモデルへと確かに受け継がれています。

 時代をはるかに先取りしていたこの軽ピックアップの魅力は、アウトドアレジャーが日常に定着した今の時代にこそ、改めて見直されるべき圧倒的なポテンシャルを秘めているのです。