Daiichi-TV(静岡第一テレビ)

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14日午前。中国・北京で、習近平国家主席の出迎えをうけ、握手を交わすトランプ大統領。全世界が注目する「米中首脳会談」。その前に歓迎式典が行われました。

子どもたちが花や国旗を持ち飛び跳ねながら「歓迎」。トランプ大統領も立ち止まり、拍手をして応えていました。

歓迎式典が終わると、ともに米中首脳会談に向かいます。会談の冒頭、習近平国家主席は、「両国関係の安定は世界にとってプラスパートナーになるべきでライバルではない」などと話しました。これにトランプ大統領は…。

(アメリカ トランプ大統領)
「(米中は)素晴らしい関係を保ってきた。何か起きたときに互いに連絡をとりあってきた。問題が起きたときでも素早く解決してきた。我々の未来は素晴らしいものになるだろう。あなたの友人でいることが光栄です。アメリカと中国の関係性はこれまで以上に良好なものになるでしょう」

米中首脳会談に向かう前。

(アメリカ トランプ大統領)
「良いことが起こるのを皆が目撃すると思う。とてもエキサイティングな訪問になるだろう。良いことがたくさん起こるはずだ」

14日夜、中国・北京に到着したアメリカのトランプ大統領。中国側は、韓正国家副主席が出迎えました。

トランプ大統領の訪中は2017年以来約9年ぶり。トランプ大統領はSNSで、「私は習近平国家主席に中国を『開放』するよう要請するつもりだ」と投稿し首脳会談で中国の市場の開放を求める考えを強調していました。

今回の訪問には、テスラのイーロン・マスク氏やアップルのティム・クック氏など、名だたるアメリカ企業17社のトップらが同行。会談でトランプ大統領は、11月の中間選挙に向けて国内向けに経済面での成果をアピールしたい考えがあるとみられています。

また、今回の米中首脳会談で、注目されているひとつが「イラン情勢」。

トランプ大統領は出発前、イラン情勢については「じっくり話し合うことになるだろう」と述べましたが、直後に、「話し合うべき課題は沢山あり、正直イランについてはそれに含まれていない」とも述べています。また、「誰の助けも必要ない」とイランをめぐり習主席の支援を求めない考えを示していました。

(アメリカ トランプ大統領)
「我々はイランを完全に掌握している。合意するか、あるいは彼らが壊滅的な打撃を受けるか、どちらかだ」

もうひとつの注目点は、「台湾問題」。

アメリカ政府は2025年12月、台湾に対し過去最大となる110億ドル規模の武器売却を承認していて、反対する中国側と武器売却に関する議論も行われる見通しです。また、ある中国共産党の関係者は、「最大のテーマは台湾問題であり、トランプ大統領から台湾独立への反対を引き出したい」と指摘しています。

この中国側の意向に対し“ディール”をまとめたいトランプ大統領が、中国の要求をのむのではないかと懸念も台湾側からあがっています。

一方の日本は、おととい12日。

米中首脳会談に同行するアメリカのキーパーソン“ベッセント財務長官”と、高市首相らが面会。日本の立場を説明しました。

(アメリカ ベッセント財務長官)
「私たちは重要鉱物について議論しました。私たちはトランプ大統領の中国訪問について議論しました」

高市首相から、米中首脳会談について要望はあったのか問われると。

(アメリカ ベッセント財務長官)
「私たちは大統領の中国訪問について議論し、日米関係の重要性について議論しました」
Q.要望は?
「ありません」

政府関係者によりますと、日本の立場にも理解が深いベッセント長官を通じて、トランプ大統領に経済・台湾問題・安全保障など訴えかける戦略で、首相周辺は、「中国側に伝えて欲しいことはしっかり伝えられた」と手応えを語っています。

全世界が注目する米中首脳会談は、想定より長い2時間15分にわたって行われました。果たしてどのようなことが協議されたのでしょうか。

(スタジオ解説)

(徳増 ないる アナウンサー)
まず先ほど入ってきた情報です。米中首脳会談では建設的、戦略安定関係を構築していくことで合意をしたということです。習主席は、「貿易戦争に勝者はいない。中国の改革開放の扉は大きく開かれる」と述べ、トランプ大統領も「意思疎通と協力を強化する」と応じたということです。

では改めて14日の動きを見ていきます。午前中に歓迎式典が行われた後、トランプ大統領と習近平国家主席が会談をしました。台湾、イラン情勢、貿易など協議したものとみられます。そして、午後には世界遺産を視察しています。

青山さん、中国は、まず歓迎ムードでお迎えしまして、前面に、そういったムードを出しているように感じましたが、そのあたりどう思われましたか?

(コメンテーター 政治ジャーナリスト 青山 和弘 氏)
そうですね、中国側にとってはトランプさんといい関係を築けば、これから世界的な覇権を狙っていく上で非常に有利にことを運ぶことができると思っているはずです。あと中国も今、経済状況が悪いですから、アメリカとの経済摩擦は避けたい。歓迎ムードを演出して、トランプさんに機嫌良くなってもらって、会談を成功させたいと考えるのは当然の ことだろうと思います。

(徳増 ないる アナウンサー)
津川さんはどう感じましたか?

(レギュラーコメンテーター 津川 祥吾 氏)
この2つの大国が、それぞれの思惑がありながら、話し合いのテーブルにつくこと自体は、喜ばしいことだと思います。ただちょっと本質ではないかもしれませんが、今回映像を見て気になった ところがありまして…。オープニングセッションといわれる部分ですが、映っている人たちがたぶん全員男性なんですよね。

(徳増 ないる アナウンサー)
確かに女性はいません。

(レギュラーコメンテーター 津川 祥吾 氏)
中国側は幹部がほとんど男性なんですが、世界の最先端の、民主主義を自認するはずのアメリカも世界の大国との協議の場に参加しているのは、ほぼ男性っていう…21世紀に入って、ずいぶん経つのに、20世紀の大国交渉を見ているような違和感を感じました。

(徳増 ないる アナウンサー)
テーマは、やはり台湾問題が気になります。会談で習主席は「最も重要な問題」だとして「適切に処理できなければ米中関係を危険な状態に追い込む」と話しました。 一方で、日本はおととい12日、アメリカのベッセント財務長官と高市首相などが会談をしました。経済台湾問題安全保障などを話し合い手応えを語っています。青山さん、日本はどのように動いてきたんでしょうか?

(コメンテーター 政治ジャーナリスト 青山 和弘 氏)
日本は中国とアメリカが経済問題、関税の問題とかで合意するのはいいんだけれど、そこに台湾問題とか、いわゆる東アジアの安全保障と絡めてディールされることを一番懸念していました。だから、その点をトランプ大統領に釘をさすために、3月に高市さんがアメリカ訪問して、その直後にトランプさんが中国に行くというシナリオを考えたんです。ところがイランの問題でトランプさんの訪中が延期になってしまった。だったら改めて中国に行く前にトランプさんに日本に寄ってもらおうと、外務省は必死に交渉したんですね。でもこれはかなわず…代わりにベッセント財務長官が来たわけです。ベッセントさんと話すこと自体は決して悪いことじゃないんだけど…やっぱりトランプさん本人に伝えるのとは雲泥の差があるわけですよ。だから一るの不安を残して14日の米中首脳会談になっています。東アジアの安全保障まで「ディール」に絡め取られないかどうかが焦点だと思います。

(徳増 ないる アナウンサー)
今もお話の中にありました大きな問題がイラン情勢です。トランプ大統領は11日、戦闘終結に向けた協議でイランの回答に対し「馬鹿げたもの、受け入れられない」と話しました。そして、ホルムズ海峡の封鎖解除も見通しが立っていない状況です。また、会談への出発前には「じっくり話し合うことになるだろう」と述べましたが、その直後には「誰の助けも必要ない」と習主席の支援を求めない考えを示していました。青山さん、このイラン情勢については会談でどのような点に注目していますか?
(コメンテーター 政治ジャーナリスト 青山 和弘 氏)
トランプさんは、イランとの戦闘を完全に終わらせて中国に行きたかったんですね。ところが訪中を一回延期したにもかかわらず、合意できないままになってしまった。そのため今回の首脳会談でトランプさんはイラン問題でも中国の助けを借りなきゃいけない状況になってしまった。「誰の助けも必要ない」って強がっていますけれども、中国がイランに強い影響力を持っているのは間違いありませんから、イラン問題でもお願いしなきゃいけない…もちろん先ほど言った経済、貿易の話でもお願いしなきゃいけない。非常に立場が弱くなっているんですよね。こういう状況の中で中国側から「こちらとしては台湾の問題をお願いしますね」って言われた時に 、トランプさんがどこまで強く出られるか。つまりイラン情勢も会談の行方に絡んできていると思います。

(レギュラーコメンテーター 津川 祥吾 氏)
トランプさんが、今、立場が弱くなっているということを指摘されるんですが、一方で中国側ってどうなんでしょうかね?貿易の話で言えば、アメリカ側が半導体を握っていると…。ざっくりと言うとですね、中国側はレアアースを握っているという…そういう対決であって、アメリカ側が弱ければ中国が強く出てきても良さそうなんですが、今、必ずしもそうでもないですよね。

(コメンテーター 政治ジャーナリスト 青山 和弘 氏)
もちろん中国にとってもアメリカとうまくディールするのは大事なことです。先ほども言ったように中国だって経済状況が悪いんですね。ただ、トランプさんは、そこにイラン問題が加わってしまった。その分トランプさんの立場が弱くなっているのは、間違いないと思うんです。あとは、ベッセントさんが日本政府に13日、伝えたように、「台湾の問題は切り離します。今までと方針変えない」って約束を本当に守ってもらえるかどうかが焦点ですよね。

(レギュラーコメンテーター 津川 祥吾 氏)
すごく気になるのがですね、アメリカ側の主張とか、トランプ大統領はこう言ったっていうものと、アメリカ政府の本音っていうんでしょうかね…トランプさん以外のアメリカ政府の本音、これは分けてみた方がいいんじゃないかなって思うことあるんですが。あの青山さん、アメリカ政府の関係者はずいぶん取材されますけど…。

(コメンテーター 政治ジャーナリスト 青山 和弘 氏)
このゴールデンウィークもアメリカに行って取材してきましたけれども、アメリカ政府内にも冷静な人は多くいます。でも大統領であるトランプさんが勝手に突っ走っちゃうので制御しようがないと。実際、国務省の関係者と話しても、本音では「イラン情勢をどう収拾するのか見当もつかない」「トランプさんをどう扱ったらいいかわからない」という人が少なくないんです。でも大統領は大統領ですから、トランプさんが、ここで習近平さんと約束すれば、それは国と国との約束になってしまいます。なのでベッセントさんにしろルビオ国務長官にしろ 、抑えようとしても抑えがきかないかもしれないってことが、一番心配されることです。

(レギュラーコメンテーター 津川 祥吾 氏)
台湾に対するアメリカの武器輸出についても…過去も何度も武器輸出してますけども、アメリカの大事な方針として、中国とは事前に交渉しないということがあったと思うんですが…これ認めちゃうかもしれないということですかね?

(コメンテーター 政治ジャーナリスト 青山 和弘 氏)
これまでルールを逸脱する可能性が否定できないのがトランプさんの怖さなんですよね。先ほどVTRにもあったように、中国の政府高官は「台湾独立反対を引き出したい」と言っている。そんな話になれば今度は日本の立ち位置が難しくなってきます。やはり14日の会談は非常に注目する必要があると思います。

(レギュラーコメンテーター 津川 祥吾 氏)
でも私そうなった時に、アメリカ国内でトランプさん持つんだろうかというところも気になるんですがどうですか?

(コメンテーター 政治ジャーナリスト 青山 和弘 氏)
私もアメリカで取材してトランプ大統領の支持率が厳しくなっているのを強く感じました。しかし、だからこそ中国と今回ディールを成功させて、大豆も買ってもらえる、レアアースも輸入できるということで…要は実績を宣伝したいわけですよね。その焦りや誘惑によって安保を引き換えにするかが焦点なんです。台湾問題で従来の方針を変えて反発を受けるよりも経済で実績を上げたい。今、アメリカ国内で厳しいからこそ、トランプさんが大きく妥協する危険性が今、生じているんだろうと思います。